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オランダ人が見たニッポンの穴。~岡田ジャパン、欧州遠征検証~ 

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木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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photograph byTsutomu Takasu/Yuichi Masuda

posted2009/09/23 08:00

オランダ人が見たニッポンの穴。~岡田ジャパン、欧州遠征検証~<Number Web> photograph by Tsutomu Takasu/Yuichi Masuda

ガス欠のニッポンにオレンジ軍団が牙を剥く。

 前半と後半のやり方は、ほぼ同じ――。ロングボールに頼らず、オランダ流のパスサッカーを貫くという意味では、そうだったのだろう。

 ただし、ベルト・ファンマルバイク監督は、ひとつだけ小さな修正をチームに施していた。それは中村俊輔の裏のスペースを利用することだ。試合前の会見で「(日本は)3人のMFがサイドから中に入ってくる」と語ったように、サイドにスペースが生まれることを想定していた。

 そして、いざ試合が始まってみると、想像以上にぽっかりと穴が空いているではないか。それを見逃さず、後半開始から俊足のエリアを投入。この22歳のサイドアタッカーは見事に監督の期待に応え、鋭いクロスから2点をお膳立てした。

写真オランダの強力アタッカー陣を封じ込めたのも前半まで。後半、日本の守備は一気に破綻する

 また試合後、ファンマルバイクは日本のハイプレスを掛け続ける戦術に対して、「あのサッカーは90分間持たない」と断言した。

「もしやるとしても、前半のうちに2、3点取る必要がある」

 少なくともオランダ戦において、岡田監督の“世界を驚かす”戦術は、机上の空論に終わったと言わざるを得ない。

 ミックスゾーンで取材を終えると、ふとファンデンフェルデ記者のことを思い出した。前半あれだけ日本を絶賛した彼は、後半をどう見たのだろう? ハーフタイムの分析を恥じているかもしれない……。

 プレスルームに戻ると、彼の姿はすでになかった。

ドイツW杯以前から指摘されていた日本代表「後半の弱さ」。

 そもそも「日本は約1時間しか持たない」と最初に指摘したのは、'06年ドイツW杯でオーストラリアを率いたヒディンク監督だ。ヒディンクはW杯直前に行なわれたドイツ対日本をスカウティングし、日本が2点リードしながら、76分と80分に失点したのを見てそう結論づけた。実際、W杯本番の日本戦では後半勝負の作戦で逆転勝ちに成功している。

 最近では南アフリカW杯アジア地区予選の最終節で、ピム監督率いるオーストラリアが日本相手に59分から2ゴールを決めて、またも逆転勝ちした。

 なぜ、日本は互角以上の実力を持つ国と対戦すると、終盤に試合をひっくり返されてしまうのだろう?

 今年6月下旬、都内でヒディンクに会ったとき、「なぜ日本は60分しかもたないのか」と質問をぶつけてみた。

【次ページ】 ヒディンクたちは進歩しない日本代表に呆れてる?

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