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【Podcast】「これが彼の真骨頂」佐藤駿らしい“真面目さ”が出た? 新ルールに泣いた中田璃士、三浦佳生のジャンプが…木下グループ杯・男子《野口美恵の論点》

佐藤駿の演技は「フィギュアスケートとしての理想」と野口さん
 長年フィギュアスケートを取材し、選手とも信頼関係が深いライター野口美恵さんが取材の裏話やホットなトピックをマニアックに解説するポッドキャスト番組「リンクの残響」。今回はシーズン初戦となったチャレンジャーカップ・木下グループ杯の男子シングルについての総評をお届けする。佐藤駿、中田璃士、三浦佳生と日本3選手のそれぞれに加え、ロシア勢、そして韓国のソン・ミンギュの評価は…たっぷりと語り尽くした。

「いろんなことが起きた大会でした。こんなに順位が入れ替わって、試合が終わるまで誰が勝つかわからないという…必ずしも実力者が勝つわけではないというのも印象的でしたね」

 大技が少ない女子は、持っている技に応じてある程度「この人はこれぐらいの順位」だと予想ができる。しかし男子の場合は4回転を試合で決めないとどうしようもない。そのため4回転が決まる・決まらないで点数が大きく変動し、順位もかなり変わる。男子の場合は試合に多めに出ておいて、試合勘を身につけることも重要だと野口さんは言う。

ロシアの選手たちは大技を決め得点を伸ばした ©️Asami Enomoto
ロシアの選手たちは大技を決め得点を伸ばした ©️Asami Enomoto

 そして今回感じられたのは、「フィギュアそれでいいのか」問題だ。ロシア(AIN)の選手が3人出場し、試合は4回転合戦の様相を呈した。しかしたくさん4回転を跳んだ選手のプログラムは非常にシンプルで、野口さんは「フィギュアスケートとして、これを良しとしていいのか」と疑問を投げかける。

ジャンプも決めて、踊る…フィギュアとしての理想系

 そんな中で光ったのが、佐藤駿選手の演技だ。4回転を3本決めつつも、しっかりと踊り、魅せるプログラム。「これでいってほしいですね」と野口さんが理想系としてあげる姿だ。

 佐藤駿といえば4回転ルッツ。難しいジャンプのため、4回転サルコウ、トゥーループに比べると仕上がりは当然遅くなってくる。そんな中でもしっかりとルッツを降りたのは、彼の真面目さがよく出ているという。

見事に4回転ルッツを決めた佐藤駿 ©️Asami Enomoto
見事に4回転ルッツを決めた佐藤駿 ©️Asami Enomoto

 SPの演技のあとの囲み取材では、「正直言って燃え尽き症候群でした」と明かした佐藤選手。自分を燃やすもの、として新しく4回転アクセルの練習にも取り組んでみたものの、怖さやけがのリスクもあり、継続しては取り組まなかった。では何を目標にすればいいのか…? 気持ちの入らない中だったが、しっかりと練習には行っていた。「モチベーションをあげるのに苦労した」と話していたが、「そこでサボらないのが彼の力です。本当に真面目ですよね」と野口さんは評価する。

 FSでは冒頭に入れるはずだった4回転ルッツが抜けて、2回転に。しかし3本目のジャンプにリカバリーとしてとっさに4回転ルッツをふたたび跳び、見事に降りた。「これが彼の真骨頂です。簡単に言えば、ルッツを2本入れられるんだね、というのが今回わかったんです。しかも疲れている3本目に入れられるとわかったのは、大きな収穫だったと思います」

中田璃士に待っていたルール改正の「落とし穴」

 シニアデビューとなった中田璃士選手は、SPで首位に立った。野口さんも「優勝するのかと思った」と見ていたが、思わぬ落とし穴が…。大いに語ったポッドキャストをぜひお聞きいただきたい。

優勝への鼻息荒かった中田だが… ©️Asami Enomoto
優勝への鼻息荒かった中田だが… ©️Asami Enomoto
  • 「同じジャンプは4回ダメ」中田璃士にルール改正の落とし穴
  • スロースターター・三浦佳生は「伸び代がすごい」
  • 4回転サルコウ、トゥーループだけでは難しい時代の到来
  • ソン・ミンギュの美しい滑りが評価された意味
  • 4回転だけでいいのか…?PCSの高さに疑問
  • よみがえった「キャンデロロ・スピン」、今後の新技はあるか?

 今後の試合が楽しみになる今回の結果。それぞれの個性を楽しみつつ、グランプリシリーズの各試合にも注目だ。(9月9日収録)

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photograph by Asami Enomoto

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