「いろんなことが起きた大会でした。こんなに順位が入れ替わって、試合が終わるまで誰が勝つかわからないという…必ずしも実力者が勝つわけではないというのも印象的でしたね」
大技が少ない女子は、持っている技に応じてある程度「この人はこれぐらいの順位」だと予想ができる。しかし男子の場合は4回転を試合で決めないとどうしようもない。そのため4回転が決まる・決まらないで点数が大きく変動し、順位もかなり変わる。男子の場合は試合に多めに出ておいて、試合勘を身につけることも重要だと野口さんは言う。

そして今回感じられたのは、「フィギュアそれでいいのか」問題だ。ロシア(AIN)の選手が3人出場し、試合は4回転合戦の様相を呈した。しかしたくさん4回転を跳んだ選手のプログラムは非常にシンプルで、野口さんは「フィギュアスケートとして、これを良しとしていいのか」と疑問を投げかける。
ジャンプも決めて、踊る…フィギュアとしての理想系
そんな中で光ったのが、佐藤駿選手の演技だ。4回転を3本決めつつも、しっかりと踊り、魅せるプログラム。「これでいってほしいですね」と野口さんが理想系としてあげる姿だ。
佐藤駿といえば4回転ルッツ。難しいジャンプのため、4回転サルコウ、トゥーループに比べると仕上がりは当然遅くなってくる。そんな中でもしっかりとルッツを降りたのは、彼の真面目さがよく出ているという。

SPの演技のあとの囲み取材では、「正直言って燃え尽き症候群でした」と明かした佐藤選手。自分を燃やすもの、として新しく4回転アクセルの練習にも取り組んでみたものの、怖さやけがのリスクもあり、継続しては取り組まなかった。では何を目標にすればいいのか…? 気持ちの入らない中だったが、しっかりと練習には行っていた。「モチベーションをあげるのに苦労した」と話していたが、「そこでサボらないのが彼の力です。本当に真面目ですよね」と野口さんは評価する。
FSでは冒頭に入れるはずだった4回転ルッツが抜けて、2回転に。しかし3本目のジャンプにリカバリーとしてとっさに4回転ルッツをふたたび跳び、見事に降りた。「これが彼の真骨頂です。簡単に言えば、ルッツを2本入れられるんだね、というのが今回わかったんです。しかも疲れている3本目に入れられるとわかったのは、大きな収穫だったと思います」
中田璃士に待っていたルール改正の「落とし穴」
シニアデビューとなった中田璃士選手は、SPで首位に立った。野口さんも「優勝するのかと思った」と見ていたが、思わぬ落とし穴が…。大いに語ったポッドキャストをぜひお聞きいただきたい。

- 「同じジャンプは4回ダメ」中田璃士にルール改正の落とし穴
- スロースターター・三浦佳生は「伸び代がすごい」
- 4回転サルコウ、トゥーループだけでは難しい時代の到来
- ソン・ミンギュの美しい滑りが評価された意味
- 4回転だけでいいのか…?PCSの高さに疑問
- よみがえった「キャンデロロ・スピン」、今後の新技はあるか?
今後の試合が楽しみになる今回の結果。それぞれの個性を楽しみつつ、グランプリシリーズの各試合にも注目だ。(9月9日収録)
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※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています
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