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《大関復帰の舞台裏》安青錦が語る“苦悶の十五日間”と青森で食べた母の味「骨折に伴って靭帯もイッちゃって」「津軽弁はちょっと…(苦笑)」【安治川親方との絆】

2026/09/11
名古屋場所で復活優勝を果たした安青錦
真夏の名古屋場所、左足は早々に悲鳴を上げていた。それなのに彼はなぜ復活の賜杯を掲げられたのか。固い絆で結ばれた師弟が今、伏せてきた真実を明かす。(原題:[大関復帰の舞台裏]安青錦「苦悶の十五日間を耐え抜いた先に」)

「自分の足で戻ってこい。勝ち負けは関係ないから。自分で歩いて帰ってこいよ」

 今年7月、名古屋場所千秋楽の朝。安治川親方はまるで願いを込めるかのように、安青錦に声をかけた。手塩にかけて育ててきた愛弟子は、もはや歩くだけでも辛そうだった。なんとか14日目まで痛みに耐え抜いたものの、千秋楽最後の一番に全てをなげうった結果、もしもケガが悪化してしまったら……。脳裏をよぎる不安をかき消し、とにかく無事に帰ってきてほしい――。そんな一心からの言葉だった。

 今だから明かせる事実がある。安青錦は名古屋場所の終盤、3箇所を骨折した状態で土俵に上がっていたのだ。3月の大阪場所で左足小指を骨折し、5月夏場所前の稽古では左足首の後部を骨折。そして7月名古屋場所の最中、今度は左足首の前部も骨折していた。

「夏場所前に骨折したときは足首から『クッ』という音がしたんです。小指と足首の後ろはまだ治りきっていませんでした。足首前部の骨折は名古屋場所中、いつ折ったのかわかりません。骨折に伴って、靭帯もちょっとイッちゃっていたみたいです」

 安青錦の足は悲鳴を上げていた。

 2023年9月の初土俵以来、新大関となった今年1月の初場所まで、負け越しなしの快進撃を続けた。わずか14場所での大関昇進は年6場所制となった1958年以降では歴代1位のスピード記録でもある。昨年11月の九州場所で初優勝し、今年初場所では新大関として綱取りも見据えた。だが、大阪場所では左足小指骨折の影響もあり7勝8敗と初めて負け越し、いきなりカド番大関となる。夏場所は全休となり、わずか3場所で大関の座を手放した。

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photograph by Shigeki Yamamoto

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