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【動画】「完全に小物だった」中継所でフラフラ…菅﨑大翔が語る箱根駅伝の“怖さ”とトヨタで働く経験「センチュリー作ってました」《徹底解剖④》

2026/07/19
 大学駅伝の注目チームを動画インタビューで掘り下げる「徹底解剖」シリーズ。今回は大東文化大学をピックアップ。監督と選手合わせて5名に、チームの現状や個人の目標を聞いた。
 今回登場するのは、2年生・菅﨑大翔選手。初めての箱根駅伝で味わった悔しさと、社会人経験を経てたどり着いた現在地、そしてチームの雰囲気までじっくり話を聞いた。真名子圭監督棟方一楽、大濱逞真各選手のインタビューは公開中。近江亮選手のインタビューも近日中に公開予定です>

「転んだときはあんまり記憶がないんです。でも、襷はつなぐっていうのだけは頭の中にあって。もう何がなんだかわからないけど、とりあえず襷を渡したみたいな感じでした」

 初めての箱根駅伝。平塚中継所に現れた菅﨑は、ふらつきながら懸命に前に進んでいた。2区・棟方一楽から受けた襷を、4区・松浦輝仁へ。脱水で意識も朦朧とする中、あったのは「襷だけはつなぐ」という思いだけだった。倒れ込むように襷をつないだ。

3区を走った菅﨑大翔(左)。初めての箱根駅伝はほろ苦いものになった
3区を走った菅﨑大翔(左)。初めての箱根駅伝はほろ苦いものになった

「11月末から12月前半は調子が良くて、上尾(シティハーフマラソン)でも記録が出て自信もついて、自分の中では『いける』と思っていました。3区に選んでいただいたんですが、1週間くらい前から緊張して。アップしているときも今まで以上に観客がいて、その時点で『うわ、やべぇ』って。プレッシャーにまだまだ弱かったです。完全に小物でした」

 区間20位。夢だった箱根駅伝という舞台に、跳ね返された。

 チームに迷惑をかけてしまったという思いが残る。そんな菅﨑を、チームメイトは誰一人として責めなかった。「いい経験になったよ」「襷をつないでくれてありがとう」「走り切ってくれてありがとう」。かけられたのは、そんな言葉ばかりだったという。その優しさが、かえって悔しさを増幅させた。

「(あの悔しさは)心の中にずっとあります。あの時のような失敗をしないようにというのが、常に心の中にあって……」

 初めての箱根駅伝で何を感じ、その悔しさを今にどうつなげているのか。動画では、当時の心境をより詳しく語っている。

photograph by Nanae Suzuki
photograph by Nanae Suzuki

 箱根駅伝は、菅﨑にとって特別な舞台だ。その理由は、多くの選手とは異なる競技人生にある。陸上だけに打ち込める環境を、一度は諦めたことがあるからだ。

「高校時代(科学技術学園豊田高校=トヨタ自動車が運営する企業内訓練校・トヨタ工業学園と連携している)は働きながら競技をやっていました。高校2年生の時点で工場の配属先が決まって、1週間は工場実習、次の週は学校で実習内容をフィードバックしたり、工業系の勉強をしたりを隔週で繰り返していました。高校自体が会社に就職するのが当たり前で、大学へ進学した人は多分今まで一人もいなくて。高校生のうちからお給料をもらって、職場の即戦力として育てる学校だったので、自分もそのまま就職するのが普通だと思っていました。大学に行きたい気持ちはありましたけど、3年間ここでやらせてもらったという思いもあって、一度就職することになりました」

 就職してからも、同学年の選手が結果を出していく姿を見ては、悔しさを募らせた。夜勤もこなす生活の中で、夜勤明けや夜中に走ることだけでは十分とは言えず、焦る気持ちもあった。そんな時、話を聞いてくれたのは、同じくトヨタ自動車に勤める両親だったそうだ。

「一番大きかったのは親の存在です。仕事と陸上の両立が難しくて悩んでいたんですけど、母が『自分の夢は諦めない方がいい』と言ってくれて。トヨタの実業団OBの方にも相談してくれて、その後にまた真名子監督に声をかけてもらいました。その話を聞いた時は『行きたい』という気持ちが一番強くなりました」

高校時代の菅﨑大翔(本人提供)
高校時代の菅﨑大翔(本人提供)

 

 社会人として働いた経験があるからこそ、陸上だけに打ち込める環境を当たり前だとは思わない。その経験が、今の競技への向き合い方にもつながっている。動画では、そのほか以下のトピックスについて語っている。

  • 「今は陸上を中心に生活できているので」成長の要因
  • 科学技術学園豊田高校で「センチュリーやクラウンを作っていた」
  • 高校時代の練習は「一人でジョグを…」
  • 就職と競技、両立へ抱いていた葛藤とは?
  • 「夢は諦めない方がいい」背中を押した母の言葉
  • なぜ会社を辞めてまで陸上を選んだのか
  • 「あまり記憶がなくて…」箱根駅伝3区の悔しさ
  • 次の箱根駅伝で走りたい区間は?
  • 大東文化大学というチームの魅力
  • 「恩人」真名子圭監督の存在
  • 今シーズンの目標は?

 陸上か仕事かを選んだ経験のある選手は少ない。そんな菅﨑選手が語る「一番楽しいのは陸上」という言葉は、単なる楽しさとはまた違う、充実感を含んだ言葉に感じられた。等身大のインタビューを、ぜひ動画でご覧いただきたい。

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photograph by Nanae Suzuki

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