今回はキャプテンの棟方一楽選手(4年)が登場。エースでありながらキャプテンに就任した経緯から、今シーズン掲げている目標、さらには最後の箱根駅伝にかける思いまで話を聞いた。<真名子圭監督のインタビューはこちらで公開中。大濱逞真、菅﨑大翔、近江亮各選手のインタビューも近日中に公開予定>
「一つには僕がやるしかないなっていう気持ちがあったのと、今までの自分だったらそういうポジションを避けていたんですけど、やってみたら成長できるというか、自分のためになるんじゃないかなと思って立候補しました」
第102回箱根駅伝を19位という結果で終えた翌日、大東文化大学の寮では打ち上げの席が設けられていた。次のキャプテンは誰にするのかと話題になった時に、「僕がやります」と手を挙げたのが棟方一楽だ。次期キャプテンは卒業する4年生たちが決めてきた大東文化大学で、立候補は異例のことだった。
2年時に上尾シティハーフマラソンで1時間01分38秒をマークし、当時のU20日本記録を樹立した棟方は真名子監督から「エース」と期待され、2年連続箱根2区を任された。しかし、結果は2年連続区間17位。チームとしても、棟方本人にも、何かを変えなければという思いがあったのだろう。「キャプテンタイプではない」と笑いながら、チームを変える役目を自ら引き受けたいきさつを明かした。

「実際(キャプテンを)やってみたらものすごく大変で、もうほんとにやばいなってくらい大変なんですけど(笑)。最初の2、3カ月が一番大変でしたね」
これまでは、自分の競技に集中していればよかった。だがキャプテンになれば、チーム作りにも目を向けなければならない。
「2年連続箱根19位のチームなので、色々変えないといけないなということで。結構いろいろ頭を使う日々が続きまして……」
全日本大学駅伝関東選考会の前には胃潰瘍の手前のような状態にまでなっていたと明かす。
何から手をつければいいのか、最初は手探りだったようだ。
「(チームを変えていくのは)難しいなとずっと思っていたんですけど、そのときに監督から『3つのことを重要視してやれば絶対にチームは良くなる』と言ってもらって。まずは、練習をしっかりやる。2つ目は寮則をしっかり守る。3つ目は地域の方々への挨拶を大切にする。監督が言ってくれたその3つをチームのテーマにしてやってみたのが最初です」
動画ではこの「3つ」の意味や、キャプテンとしてチーム全体に向き合う中出感じた苦悩について、さらに詳しく語っている。

「箱根駅伝が最大の目標なので、何区かは教えられないんですけど区間新記録を狙いたいと思います」
今季の目標を尋ねると、10000mで大東大記録28分09秒93を更新すること、全日本大学駅伝7区を1km2分50秒ペースで走ること、そして箱根駅伝で区間新記録を挙げた。箱根駅伝は過去2回結果を残せていない分、余計に思いが強い。
「大きな舞台になればなるほど楽しくなる。自信のないレースは大東に来てからまったくないです。スタート前の心境は『絶対走れる。俺が一番強い』と」
動画ではレース前の思考や、真名子監督への思い、さらには「30歳ぴったりで現役を引退する」と決めている理由のほか、以下のトピックスを語ってもらった。
- 「自分がやるしかない」キャプテン就任の経緯
- 「やばいくらい大変」なキャプテン業
- 箱根駅伝19位は「小さな歯車のズレが…」
- チーム改革は「3つ」のことから
- 今季のチームスローガンは『3つのシン』
- 「揺らぐことは絶対にない」真名子監督に寄せる信頼
- 箱根駅伝は「エースとしての意識が足りなかった」
- 大きな舞台ほど楽しめるタイプ
- 今シーズンの目標は「箱根駅伝で区間新記録」
これまで通りの明るさや純粋さに加え、キャプテンとして葛藤しながら前に進もうとする姿が、棟方選手をより人間味あふれる選手にしているように感じられた。エースとして、キャプテンとして最後の1年に挑む胸の内を、ぜひ動画でご覧いただきたい。(2026年6月5日取材)
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