最初に登場するのは就任5年目のシーズンを迎えた真名子圭監督。19位に終わった前回の箱根駅伝の振り返りから、「本当の子供のよう」と語る選手たちへの期待、さらには今季にかける指導者としての覚悟まで、約45分間、じっくりと話を聞いた。<棟方一楽、大濱逞真、菅﨑大翔、近江亮各選手のインタビューも近日中に公開予定>
「前回の箱根は使おうと思っていた選手の状態が上がらず、4年生に頼らざるを得ないチーム状況でした。靑葉(昌幸)先生の頃から、大東文化大学は最後困ったときは想いが強い4年生を選ぶという伝統がありましたし、そこは間違いではないと思っているので見習ったのですが、やはり20kmではごまかしは効かないんだなというところでした」
第102回箱根駅伝で大東文化大学は総合19位。この結果には、本来の力はこんなものではないだろうという思いが拭えなかった。

それ以上に気になったのは、オーダーだ。復路には4年生が4人。そのうち三大駅伝の出走経験があったのは入濵輝大(現NTT西日本)だけ。秋の時点ではAチームに定着していたのも入濵しかいなかった世代だったのが、実に4人がオーダーに名を連ねたのだ。
以前、真名子は「入濵以外の4年生が一人でも入ってくれば、チームは変わる」と話していたが、待っていたのは19位という厳しい結果だった。期待を込めて組んだオーダーを、真名子は「自分の甘さだった」と振り返る。動画では決断に至った経緯など、詳しく語っている。
「チームを変えるのは我々指導者じゃなくて、学生」
4年生が卒業しても、「新チームで頑張ろう」という心機一転の空気にはならなかった。2年連続箱根19位という結果だけが残り、雰囲気を引きずったまま新年度を迎えたという。
「だから全日本選考会も苦戦したのかなと。故障者も体調不良者も多くて、落ちたらどうしようかなという不安はありました。全日本選考会だけを考えれば、これまでで一番難しかったですね」
全日本選考会は危なげなく3位で通過したものの、そこに至るまでのチーム状況は決して順調ではなかったようだ。そこからどうチームを変えるのか。
「チームを変えるのは我々指導者じゃなくて、学生なんですよね。仲間の活躍や走りに刺激に受けて、チームの中で潤滑して、いいふうに変わっていくんだと思います。その時変えてくれたのが松浦(輝仁、3年)と新2年生の存在かなと思っています」
棟方一楽(4年)、大濱逞真(3年)ら主力選手の調子が上がらない中、我慢強く練習を継続し、成果を出した松浦はチームにとって欠かせない存在になり、空気を変えていったという。
さらに今季、大東文化大学には強力な新入生が加入。真名子の前任校でもある仙台育英高校から、全国高校駅伝準優勝メンバーの近江亮と若林司が入学した。2人については「集中力がすごい。ポイント練習の前は声をかけられないほど集中している」と、1年生らしからぬ姿に驚きを隠さない。
加えて動画では、期待を寄せるルーキー・杉本拓海の強さや、スカウトに至った経緯も話している。

取材を続ける中で、指導者の苦難に触れることは多い。結果に対する責任、学生を預かることへの重圧、正解のない判断への葛藤。そうした日々を、「孤独」と表現する指導者も少なくない。さて真名子は「孤独」というものをどう捉えているのだろうか。
「孤独を感じることは?」と訊くと、返ってきたのは「ないですね」という意外な答えだった。
選手との距離感「スカウトした選手は本当の子供のよう」
動画では、なぜ「孤独を感じたことがない」のか、その理由をさらに掘り下げて語っているほか、以下のようなトピックについて語っている。
- 「今までで一番難しかった」全日本大学駅伝関東選考会
- 箱根駅伝19位をどう受け止めたか
- 選手との距離感「自分がスカウトした選手は本当の子供のよう」
- 1年生への期待──近江亮、若林司
- 杉本拓海のスカウト秘話「今から寮に連れて帰ろうと…」
- スカウトは理屈ではなく「ビビビ」
- キャプテン・棟方一楽(4年)について
- 「今年はシードを獲らなきゃダメ」今シーズンへの覚悟
- 「孤独を感じたことがない」理由と、「寂しがり屋」な素顔
真名子監督の言葉にはいつも飾りがない。嘘のない言葉の根底にあるのは「人が好き」という気持ちなのだろう。学生を信じ、人を頼る。その人となりと指導者としての在り方が伝わるインタビュー、ぜひ動画でご覧いただきたい。(2026年6月5日取材)
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