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【動画】「海外選手の“足音”を聞いています」新女王・中島ひとみが語る“動画”の活用法とハードル選手としての高み「安定より新しい自分を」<後編>

2026/08/27
 近年の日本陸上界で、タイムが飛躍的に伸びている種目が女子100mハードルだ。才能を開花させたタレントが揃う中、今年の日本選手権を制したのが中島ひとみだ。かつて“天才”と称され将来を嘱望されたハードラーも、全国のタイトルを手にしたのは、兵庫・夙川学院高2年時に日本ユース選手権で優勝して以来、実に14年ぶりのことだった。
 中島はなぜ30歳前後で飛躍できたのか。技術、肉体改造、そしてメンタリティ。合計約60分のインタビューで、8月には日本記録を連続で更新し、子どもたちにも大人気のハードラーを徹底解剖する。<動画は前編・後編の2本立て。前編はこちらからご覧ください>

 中島が100mハードルで初めて13秒の壁を突破したのは2024年9月のこと。昨年は一気に12秒71まで記録を縮めたものの、今年の日本選手権の際には「12秒7が壁」と話していた。だが、8月9日には12秒62、そ6日後に12秒60と立て続けに日本新記録を樹立。12秒5台も見えるところまで来ている。

photograph by NIKE
photograph by NIKE

「去年の走りのままだったら、12秒8で安定して、出せても12秒7のままだったと思います。そこを変えたくてチャレンジしようと思いました。安定性を求めるなら、自分がこれまでに敷いてきたレールの延長線上を走っていたほうがいいと思いますが、私はそれ以上の自分を探したいんです」

 ハードルは技術的な側面が大きい種目だ。何かを変えることにはリスクがつきまとうが「チャレンジに全く不安も恐怖心もなかった」という。

「チャレンジしてダメだったら、なんでダメだったかを考えればいいだけだしそういう考え方を持てるのは私の強みだと思います」

 昨シーズンの成功体験があったにもかかわらず、安定を求めず、自分自身の進化を探求した。その先に今季の“日本一”と“日本記録樹立”があったわけだが、昨年、東京世界陸上に出場した経験も大きかったという。

「圧倒的にパワーの差が出てしまった」

 初めて日の丸を背負って挑んだ世界の舞台で、予選は突破したものの、準決勝は7着で敗退した。世界のトップハードラーとの差を痛感させられた。

東京世界陸上での中島。準決勝で敗退した photograph by Nanae Suzuki
東京世界陸上での中島。準決勝で敗退した photograph by Nanae Suzuki

 2024年シーズンの前からウエイトトレーニングを取り入れていたが、世界選手権での実感を踏まえ、その内容を見直したという。

「今までは“筋肉を付ける”だったけど、“太くする”トレーニングに変更しました。見ている方々は、もしかしたら『まだ細い』と思われているかもしれませんが、お尻、ハムストリングの周りはかなり強化しました」

 肉体改造はうまくいっていたものの、すぐにハードルに生きたわけではなかった。冬季の取り組みに手応えを得ながらも、それらをハードルに落とし込むとなると、まだまだハマらない感覚があった。実際に今シーズン初戦となった4月の織田記念では13秒2台の記録で4位に終わっている。

「“こんなところに筋肉ってあったっけ?”と思うほど、自分自身の体を操れない部分がありました」 

 ただ、中島は決して悲観的にはならなかった。だからこそ日本選手権優勝、そして8月の日本新2連発へと繋がったのだ。新しい肉体と感覚をどのようにタイムに落とし込んでいったのか。よく見るという海外選手の動画から得られる「聴覚情報」について、そして“新しい自分”の萌芽について、動画インタビューでじっくりと語ってくれている。

「めっちゃスタメンにしたい」NIKEのシューズは?

 トレーニングで愛用しているシューズへのこだわりについてもたっぷり語ってくれた。

「ものすごく足裏の感覚を大事にしているので、これっていうものよりも、いろいろなシューズを履いて、自分の軸作りなどに活かしています」

 そんな中島のシューズラインナップに新たに仲間入りしたのが、NIKEが8月に発表したばかりのペガサスプラス2だ。

「履いた瞬間に足裏に吸い付くようにフィットしてくれる感覚があって、裸足よりも気持ち良く感じるくらいのフィット感がありました。それでいて、前足部にエアズームユニットが入っているので、(愛用するスパイク)マックスフライを履いている時の感覚もイメージしやすい。めっちゃスタメンにしたい! それぐらい衝撃を受けました」

 鮮やかなフラッシュクリムゾンが目を引くペガサスプラス2が、中島の足元に良く似合っていた。

愛用するペガサスプラス2を履く中島 photograph by NIKE
愛用するペガサスプラス2を履く中島 photograph by NIKE

 動画では、他にも以下のようなトピックについて触れている。

  • 世界陸上でパワーの差を痛感した瞬間は?
  • レースで先行された際の心理状態
  • 「動画をよく見てます」聞いているのは海外選手の足音
  • 最も履き慣れているシューズは「クッションがあるので…」
  • ナイキアスリートとして意識すること
  • ネイル、アクセサリーで表現したいもの
  • 社交的に見えて、実はインドア人間…!?
  • 東京世界陸上スタート前ポーズの真実
  • 「『逃走中』の反応がすごくて」メディア出演の意義
  • 結婚が大きな転機だった…その真相は?

 今季は、9月に愛知県で開催されるアジア大会で日本代表に選出されている。中島が8月にマークした12秒60はアジア歴代2位で、今季のランキングではもちろんアジア勢のトップだ。

「優勝はもちろん目指していますが、日本開催が32年ぶりで、こうやって日本の皆さんの前で走らせてもらえるので、結果だけではなくて記憶にも残るような走りをしたいとすごく思っています」

 昨年の世界選手権に続き、日の丸を胸に挑む自国開催の大舞台で、ひときわ輝かしい活躍を見せるつもりだ。中島のアスリートとしての内面が詰まった動画インタビュー、前編、後編合わせてぜひご覧ください。(8月5日取材)

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photograph by NIKE

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