今回登場するのは、大濱逞真選手(3年)。悔しさだけが残った箱根駅伝、故障明けで臨んだ全日本大学駅伝関東選考会、そして「エース」への考え方まで、自身の現在地を冷静に見つめる言葉をたっぷり聞いた。<真名子圭監督、棟方一楽選手のインタビューは公開中。菅﨑大翔、近江亮各選手のインタビューも近日中に公開予定>
5月4日の全日本大学駅伝関東選考会。1組目のオーダーで驚かせたのが大東文化大学だった。組分けに関するルールはなくなったとはいえ、後ろの組になるにつれて持ちタイムの速い選手が並ぶのが通例だが、大東大は1組目に主力の大濱逞真、中澤真大(ともに3年)を起用。前回はともに3組目で出走し、大濱が組1着、中澤が組3着だったのが、今回はそろって1組目での出走となった。
「日本学生ハーフが終わったタイミングで故障しました。練習が全然できていない状態だったので、1組目で走ることに関しては、そこまでびっくりはしなかったです」
強風の中で行われたレースは牽制が続き、2000mから3000mは実に3分37秒を要した。そこでペースを上げ、レースを動かした東海大・檜垣蒼(3年)に対応し、先頭を引っ張ったのが大濱だった。各大学からマークされていることを感じ「やりにくさはだいぶあった」と言うが、「(持ちタイムのいい)自分たちがレースを作っていくしかない」と前に出た。結果は組11着、故障明けのコンディションを考えれば十分に役割を果たす走りだった。

今年1月の箱根駅伝は1区を任された。2年連続で1区の大役だ。しかし、結果は区間15位。ハイペースな展開に対応できなかった。
「後悔しかないですね」
聞けば、原因は意外にも「パン」だという。スタート直前、ガス欠を恐れて食べたのが差し込みにつながった。一方で、それだけが原因だったとも考えていない。
「差し込みがなければという気持ちも正直あるんですけど、あれだけハイペースだったので、どっちにしてもそこまでいい結果ではなかったのかなと思います」
その後は、都道府県駅伝で宮城県のメンバーとして優勝を経験した。日本学生ハーフは60分48秒の自己ベストで3位表彰台を掴み取った。そこで「完全に自分の力で取れた3位」と自信を深める結果も残した。だが、大濱にとっては通過点に過ぎないようだ。
動画では箱根駅伝への想いや、今後目指すランナー像についても語っている。

「自分がエースと呼ばれてもいいかなって思うときはあります」
「エースは自分だという思いは?」との問いに、大濱は率直に答えた。真名子圭監督は私たちメディアに「エースは棟方」と公言して憚らない。レース結果だけでなく、継続して練習を重ねられることも監督の考える“エースの条件”なのだろう。一方で、その言葉は裏を返せば“大濱はこんなものではない”と、まだまだ伸びしろがあるという期待の表れにも聞こえていた。
大濱自身にも、5000mで日本選手権に出場するなどインパクトのある結果を出してきた自負はある。ただ同時に、こうも口にする。
「エースは自分で決めるというより、他人が決めるものだと思う」
「自分がエースと呼ばれてもいいかな」
監督からは「練習が継続できない限り、お前はエースじゃない」と言われているという。課題の一つである身体との向き合い方や、故障を抑えて練習を続けるための考え方など、そのほか動画では以下のトピックスに触れている。
- 「レースを荒らさないでくれ」全日本選考会1組目
- 「大きな舞台で結果を」理想のランナー像は?
- 学生ハーフでの3位表彰台「大学記録は…」
- 「自分がエースと呼ばれてもいいかな」エースへの考え方
- 故障との向き合い方
- 真名子圭監督は「すごく熱心な指導者」
- 近江亮、若林司ら新入生の能力は?
- 「何年かに1回…」ゾーンに入る感覚
- 次回の箱根駅伝、希望区間は?
多くを語るタイプではないが、一つひとつの言葉が理路整然としている。感情だけでなく、自分自身を冷静に見つめる言葉が印象に残った。このインタビューの後には近江選手のインタビューがあったが、後輩を優しく見つめるのも印象的だった。大濱選手の魅力が感じられるインタビューを、ぜひ動画でご覧いただきたい。(2026年6月5日取材)
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