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【動画】「ステファンは40歳でここまで…」宇野昌磨が語る『Ice Brave』秘話と“プロデューサー”の熱き思い「“演じる”を超えて、“伝える”を考えた」《初日後独占インタビュー》

2024年に引退、プロスケーターに転向した宇野昌磨さんがプロデュースし、主演も務めるアイスショー「Ice Brave」が6月14日に愛知で開幕しました。大盛況だった初日を終えた直後、宇野さんに自分自身の演技のことはもちろん、プロデューサーとして何を考えているか、そして「師匠」ステファン・ランビエールのことについてもたっぷり語ってもらいました。聞き手は長年フィギュアスケートを取材、Numberで主催した宇野さんのトークショーでも司会進行を務めた野口美恵さんです。《近日中にステファン・ランビエールさんの動画インタビューも公開予定です》

 昼夜2公演を終えた後の宇野さん。囲み取材では疲労から放心状態といった様子も見られましたが、インタビューの場に現れた際はすっきりと、充実感のある表情を見せました。

 前日は夜遅くまで細部が気になり、リハーサル重ねていたそうです。

「でも、実際には僕自身が何かを気をつけたから、本番ですぐ改善されるというタイプでもないので。みんなにも『楽しく、なんならその失敗をお互い笑い合えるぐらいの雰囲気で楽しもう』という話をしました」

 これまでも「ワンピース・オン・アイス」などでアイスショーの主演を務めてきた宇野さん。しかし、すべてゼロから、自らプロデューサーとなって作り上げるのは初めての体験でした。その難しさと苦労を、4月に行われたトークショーの中でも語っていました。

 「リハーサルで、僕は見る側もすごいやったんです。みんなの演技を見た時に、どうして『あんまり(良くないな)』と思うのか、それをどう改善したら、お客さんが『おお』って思うんだろう、という目線で見ていました」

 大きな責任がのしかかる中、自分自身で引っ張っていく部分、みんなの力を借りる部分をうまくすみ分けをしながら初日までやってきたそうです。

「自分もうまくなりたいので(中に)入りたいんですけど、やっぱり全体を良くするためには、一歩下がって見ないといけない。その人それぞれの強みを活かしつつ、どんなところに気をつけたら良くなるかを考えていました」

 自らの演技だけではなく、共演者のすべても見て、ショー全体をより良いものにしていく。それは実際の演技中の姿からも伝わってきました。競技者の時は見せたことのなかった、満面の笑みもそのひとつです。

「僕が笑顔でめっちゃいたら、他のみんなもやらざるを得ないから、ちょっとオーバーにやりました」

「演じる」を超えて、「伝える」を考えた結果、新しい宇野昌磨としての扉を開いているのでしょう。

 今回のアイスショーには、恩師であるステファン・ランビエールも参加。宇野さんとともに2015-16シーズンのSP「Legends」を同じ振り付けで滑り、2022-23シーズンのSP「Gravity」、そして引退前最後の2023-24シーズンのFS「Timelapse」をソロで演じました。特に「Timelapse」ではジャンプを何本も跳ぶなど、40歳とは思えぬスタミナ、そして円熟のスケーティングで魅せてくれました。

「ステファンがあの年齢になって、ここまでのハードなショーに出てくれる。そしてより良いものを一緒に作ろうっていう思いが伝わってくるのが、めっちゃうれしいです」

 自分が滑ったプログラムを、恩師に滑ってもらうことへの思い。また、恩師というよりも「友達みたい」だという2人の関係からは、尊敬しつつも心が通じ合っている特別な雰囲気を感じさせました。

「アイスダンスで現役復帰は?」という記者の質問も

 そして今回のショーでの大きな挑戦が、本田真凜さんとのアイスダンス。シングルとはまったく違う動きにかなり苦労したと話す宇野さんですが、真凜さんと息のあった演技を繰り広げ、終演後の囲み取材では、記者から「アイスダンスで現役復帰は?」という質問まで飛び出しました。

「そういう質問が来る時点で、ちょっとうれしさがありますね。コラボとしてちょっとやるわけじゃないんだよ、と。それだけ練習もしっかりしてきたので、それが伝わったというのがうれしいです」

 自分以外の演者の表現も「プロデュース」し、点数を取るためではなく、お客さんに「伝える」、「楽しませる」ためにと磨き続けてきた半年間。表現への考え方は、今までとはすべてが変わったといいます。

 フィギュアスケートはジャンプあり、ステップあり、表現あり。課題は多岐に渡るため、1つの要素だけを深追いすることはあまりなかったそうですが、今回ダンスの要素を取り入れた「Narco」でプロのダンサーとして表現を突き詰めていったとしました。

「ジャンプはジャンプの時だけですけど、表現はそれ以外全部なので。ジャンプよりも無意識に落とし込まないといけない。すごく年月がかかるものだと思いますけど、僕は絶対誰でもできると思います」

 その理由を深掘りすると、意外性のある言葉が出てきました。その他にも今回の動画インタビューでは以下のテーマについて語ってくれました。

  • 「お客さんを楽しませる」ためにはなにが必要か?
  • 「このプログラムはステファンにあげます」脱帽した恩師の表現力
  • 「ボレロ」の曲を聴くと湧き起こる感情とは?
  • アイスダンスエッジで「4回転ジャンプを跳ぶ」こと
  • 宇野さんが「表現に関して別格」と語る4人とは?
  • アイスショーは「仕事」の真意とは
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 宇野さんと出演者の魅力がこれでもかと詰まったアイスショー。人間としても、表現者としてもますます進化していく宇野さんの「今」が詰まったインタビューとなりました。このアイスショーは現地で見てほしい!と思わずにはいられません。(6月14日収録)

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photograph by Asami Enomoto

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