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【動画】「山口はまだ“早稲田のエース”では…」早大・花田勝彦監督が語る“渡辺くん”の衝撃と“山の名探偵”工藤の青学&駒大エースへの勝利は「実力通りかなと」

2024/12/24
2025年1月2、3日に開催される第101回箱根駅伝。Numberが注目する出場校の監督を取材する「駅伝監督」シリーズに、早稲田大学・花田勝彦監督にご登場いただきました。ここまで出雲6位、全日本5位。箱根では7年ぶりの総合3位以内を狙っています。チームの柱となる3年生の山口智規、2年生の工藤慎作両選手の評価は?「三強」に食い入るために必要なことは? 58分間、じっくりとお話をうかがいました。

「前回は正直、チームエントリーの後半は『実際、本番に走れるのだろうか?』という選手を入れた面も否めません。でも今回に関しては、前回なら間違いなく走っていたであろう選手が16人以上いたので、最後はトライアルも行って選考しました。それでもみんな想定内の走りを見せてくれたので、よい意味で迷った中でのエントリーになったと思います」

 インタビュー冒頭、前日に発表されたチームエントリーについて、花田監督は例年になく自信をのぞかせました。今季は個人の海外遠征を控えて、チーム全体で足並みを揃えて強化合宿を実施しました。

「昨年よりレベルの高い練習を超えてくるような内容で、夏場の2ヶ月で自信を持てる練習ができました」

 箱根駅伝にむけては、監督自身が学生時代に経験した“ワンランク上の練習”を行ってきたのだそう。「最初はできない選手、疲労が大きかった選手もいた」と言いつつ、「最近は慣れてきてもう少しレベルを上げられるかなというところまで来ています」と評します。花田監督が発する言葉の節々から、チームの充実具合が垣間見えます。

12月10日記者会見での花田監督
12月10日記者会見での花田監督

 間もなく迎える区間エントリー。注目の2区は、前回に続き山口智規選手が担う見込みです。初戦の出雲では1区区間12位と、本来の実力を考えれば“らしくない”結果。その走りをこう振り返ります。

「彼はスターターが得意ではなく、その課題をクリアさせる意味で起用した面もありました。ただトラックシーズンの後半があまり調子が上がらないまま夏合宿に入り、試合勘が薄れている中で駆け引きのレースになってしまった」

 続く全日本では3区で13人抜きの区間5位。その1週間後の日体大記録会では10000mで27分52秒37をマーク。徐々に本来の調子を取り戻しており、箱根ではインパクトのある走りを期待できそうです。

「彼の場合、練習をやり過ぎてしまうところも…」

 そして今季は、“山の名探偵”こと工藤慎作選手の充実ぶりが際立っています。前回の箱根では5区で区間6位と好走。ここまで出雲6区区間2位、全日本8区区間3位と、アンカー区間で三強のエースたちに食い入る走りを見せています。

「彼の場合、練習をやり過ぎてしまうところもありますが、上手くコントロールしながら試合にピーキングを持ってこられていました。結果はある程度想定した範囲内ですね。皆さんには『すごい』と言われますが、現場で見ている側からするとそれだけのことをやってきているので。しっかり実力通りかなと思います」

前回の箱根駅伝5区でも好走した工藤 photograph by Nanae Suzuki
前回の箱根駅伝5区でも好走した工藤 photograph by Nanae Suzuki

 工藤選手の評価を尋ねると、冷静なコメントが返ってきました。今季は、将来のマラソンにむけた取り組みの一環として、ゴールドコーストマラソンのペースメーカーにも挑戦。「大きな目標にむけて土台作りをしてきたのでハーフ以下の距離は平気なところもあるのかなと思います」と評します。

 また、先日初の著書『学んで伝える』を出版した花田監督。著書内では山口選手について「エースになりつつある選手」と表現しました。大迫傑選手、渡辺康幸氏らの早大記録を次々と塗り替えるとともに、世界クロカンで日本代表も経験した山口選手。そんな彼にあえてエースの称号を与えない理由とは? 指揮官が語る、“早稲田のエース”の条件とは――。

 動画ではほかにも以下のようなことを聞いています。

  • 実は6区候補だった?選手から「速い」と評判の監督の下り
  • 不調からうなぎのぼりで復活。2年生の主力・長屋匡起の成長
  • 監督が期待する「3人」の選手とは?
  • レース後に思わず「感動を伝えに行く」選手とは?
  • 「理想的な育成の形」と評する他大の選手
  • 将来の箱根駅伝に求めること

「皆さんが求めているのは早稲田が先頭を走ること。それが1分でも短くてもいいので先頭の景色を見せたい」と語る花田監督。伝統の臙脂のユニフォームが存在感を放てば、箱根駅伝自体もさらに盛り上がることでしょう。ぜひご覧ください。(12月11日取材)

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photograph by Nanae Suzuki

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