「どの区間を担当しても、100%勝つことを目標にやってきました。記録に挑戦できることのワクワク感もあり、どこまでいけるのかという楽しみな気持ちも持っていました」
出雲駅伝では2区区間賞、全日本大学駅伝では2区で、青山学院大学の鶴川正也選手とわずか1秒の差で区間2位。向かい風の中でしたが、昨年、駒大・佐藤圭汰選手が樹立した区間新記録(31分01秒)を更新したいという思いがあり、そこに届かなかったことは悔しいと語ります。 ただ2人の勝負は最後まで目が離せなかいものでした。
「お互いに余裕がなく、何回か前に出ようとしていましたが、出させてしまったら負けてしまうとわかっていました。ラストで一瞬、鶴川の動きが鈍り『今ならいける』と勝負をかけて前に出たんですけど、それまでにエネルギーを使い果たしてしまい体が動きませんでした」
ただ、あの勝負で、「新しい世界」を見たワクワク感と、勝負に負けた悔しさを同時に味わったそうです。
「自分はどちらかというと単独走が強みですが、鶴川のおかげでラストスパート合戦ができました。普段なら弱いと思うところも引き出してくれて、今年のレースで一番おもしろかったです。でも、やっぱり、めっちゃ悔しかったですけどね」
エースとは「安心感を与えられる選手」
創価大学のエースというのみならず、学生駅伝界を代表する選手になりつつある吉田選手ですが、エースとしての自覚はあるのでしょうか。
「3年生までは『勝ちたい』という思いが強かったですが、4年生になって『負けられない』という思いが強くなってきました」
吉田選手が考える「エース像」を聞いてみると、「安心感を与えられる選手」「頑張るきっかけを与えられる選手」だといいます。
「きつい走りをしてしまっても、そこでネガティブで終わるんじゃなくて『響さんがいるから戦える』と思ってもらえるように。『響さんがいるからラストスパートも上げられる』、そう言われるような存在になりたいです」
ちなみに他大学で「エース」といえる選手を聞いてみると、國學院大學の平林清澄選手、そして鶴川選手の名前が。「ライバルだけど応援したくなる」と、同じフィールドで戦う者同士のリスペクトを感じさせました。ちなみに鶴川選手とはそれまで顔見知り程度の間柄だったそうですが、この全日本をきっかけに連絡を取るようになり、一緒にご飯(焼肉!)も食べに行ったそう。そこで話したこととは?
動画ではほかにも
・全日本大学駅伝、本人が振り返る詳細な心の動き
・昨年までと今年で変わったケア
・吉田凌キャプテンのリーダーシップ
・今年「いける」と手応えをつかんだ試合
・4年生として取り組んだチーム改革
・箱根駅伝5区、「山の神」にこだわる?
・前回の箱根を振り返りいま思うこと
・榎木監督はどんな指導者か
などなど、さまざまな話題について話しています。特に箱根駅伝の区間配置についての思いは、「おおっ!」と思わされる言葉も飛び出しました。吉田選手に自分自身の「現在地」をじっくり語ってもらったインタビュー、ぜひご覧ください。(11月27日取材)
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