夜になっても騒ぎは収まっていない。モナコGP挑戦5回目で初めてパーフェクト・ウイン(ポール・ポジションから全周回をリード)したK・ライコネン。表彰台では「もっと喜べよ」とも思ったが、今頃史上27人目“モナコ覇者”になった嬉しさを噛み締めているはずだ。
勝ったライコネンだけは78周、誰ともバトルはなかった。こういった自分だけのクルージング・パターンはしばしばある。それでも今年のモナコは賑やかで華々しく、激しく熱かった。狭い公道でこれだけサイド・バイ・サイド、オーバーテイクが見られた年も珍しいからだ。抜かずに黙って順位を上げたものは一人もいなかった。2位N・ハイドフェルド(予選6位)、3位M・ウェバー(同3位)はポイントリーダーたるF・アロンソをシケイン入口でかわして逆転。まさにトンネルを抜けたあと青空の下で、ウィリアムズ・BMWは、今季初めてルノーを実力で抜いてみせた。逆転を許したアロンソとルノーは、CSスカパー生中継ではすでに申し上げたが、チョイスしたリア・タイヤが早めに磨耗。同じミシュラン系チームの中で彼らだけがマシンとタイヤのマッチングが完全ではなかった。
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photograph by Hiroshi Kaneko