独特のリズムでドリブルをつきながらリングへ向かっていく様は、比江島慎(宇都宮)のプレーぶりを彷彿とさせる。
愛知県出身の新井楽人にとって、少年期にシーホース三河に所属していた比江島は憧れの選手で、ドリブルの真似をして友人に見せていたというから腑に落ちる。
「僕のステップも独特だと言われたりしますし、タイミングを外したりするのも得意なので、似てるかもしれないですね」
比江島を想起させると指摘された22歳は照れつつも、嬉しそうだった。
小学生の頃からプロになりたいという気持ちは持っていたものの、当時はあくまで夢でしかなかった。中学卒業後、県をまたいで静岡県の強豪、沼津中央高に進むも全国大会への出場は叶わなかった。
プロになるという思いが形になっていったのは、日本大への進学後だった。2年時にチームメートのケガによって試合に先発出場することが増えると、3年時からはアンダーカテゴリーの日本代表に招集され、大学日本一を決めるインカレで同校15年ぶりとなる優勝の一翼を担った。
新井の1学年上には寮で相部屋でもあった米須玲音(川崎)がいた。まだプロになれるかどうか半信半疑だった新井は、米須から「お前、マジでプロになれるよ」と言われた。そうした経験を経ておぼろげだった可能性は新井の中で現実味を帯びていった。
昨季、特別指定選手として得た手応えとは?
果たして、新井はドラフト1巡目3位という高順位での指名で横浜ビー・コルセアーズに加入した。
ドラフトに際し、新井に意中のクラブはなかった。「自分がやりたいものとヘッドコーチが求めるものがぴったり合う」ことなどまずなく、ならばチームから求められるものを確実にこなせるようになるほうが、選手としての価値を高められるという考えがあったからだ。
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