新監督のもと、悲願の初優勝を果たした昨シーズン。長年クラブを支えてきたレジェンドがコートを去り、今季は彼が最年長に。それでも特別な気負いはない。一人のプレーヤーとして臨む開幕前の心境を語った。(原題:[チーム最年長の決意]山内晶大「主人公にはなれなくても」)
ベンチから見守っていた山内晶大に、予想外の感情が溢れ出した。
「あの瞬間だけは、めっちゃ感動して、ちょっと泣きそうでした」
“あの瞬間”とは、今年9月に開催されたアジア選手権決勝・イラン戦の勝利の瞬間。セッター深津英臣からのトスを、キャプテンの石川祐希が決め、ロサンゼルス五輪の出場権を獲得した瞬間である。
「(優勝は)当たり前ではないですが、可能だし、通過しないといけないところだったので、あまり感動しないかなと思っていたんですけど。祐希が最初にバゴーンって、シャットされて……」
試合の立ち上がり、石川のレフトスパイクが立て続けに相手ブロックに捕まった。
「そのあとも、全然決まんねえ、となっていた。西田(有志)のほうが絶対に調子はよかったけど、それでも最後、オミさん(深津)は祐希に上げて、それを決めた時は、『うわ!』と、ちょっと泣きそうになりました。泣きはしなかったですけど(笑)。普通に祐希が好調だったら感動はゼロですけど、あれだけへこんで、それでもオミさんが託したということも感慨深いし、『祐希、苦しみながらもよく頑張ったな』って。2人とも長く一緒にやってきましたからね」
「何でもいいから勝てばよかった」理由
32歳のミドルブロッカー山内は、今の日本代表の中で、石川と並んで最も代表歴が長い。204cmの長身を買われ、愛知学院大3年だった2014年に、バレー歴わずか5年で代表に抜擢された。長い手足を持て余していた細身の大器は、必死で世界に食らいつき、日本の主力の一人となった。
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photograph by Hirofumi Kamaya
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