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【動画】「マラソンの能力を上げる期間」早稲田大学・工藤慎作が語る箱根駅伝後の“異端の練習”とルーキーたちの素顔「いい意味で全然違う」《インタビュー/前編》

2026/10/22
 日本マラソンを牽引してきたパイオニア、そしてその未来を担う逸材にロングインタビューをしていく動画連載「マラソン未来図」に、早稲田大学・工藤慎作が登場。
 駅伝ファンにはすっかりお馴染みとなった名探偵。出雲駅伝で優勝した早稲田のエースとしても活躍しているが、彼はすでに箱根駅伝の「先」を明確に見据えている。マラソンという種目も難しさと面白さ、そして来年のMGCとロス五輪へ向けて考えていること。前編・後編合わせて52分、日本マラソン界の期待の星にじっくりと話を聞いた。
<前後編の2本立て/後編はこちら。NumberPREMIERでは早稲田大学を徹底解剖。花田勝彦監督、小平敦之、山口竣平、鈴木琉胤、そしてルーキー3名(増子陽太・本田桜二郎・新妻遼己)の動画インタビューを公開中です>

 いよいよこの男の季節の到来だ。

 大学ラストイヤーを迎えた“山の名探偵”こと工藤慎作(4年)。今シーズンの前半戦は、早大の選手たちが長距離トラック種目を席巻したが、その中で工藤は独自の路線を歩んできた。東京六大学対校や関東インカレなどにも出場しているが、工藤はロードレースを中心に試合に臨んだ。

photographs by Nanae Suzuki
photographs by Nanae Suzuki

 5月4日に開催された「Tokyo : Speed : Race」では、ロード5kmで、日本記録(当時)にあと1秒と迫る13分31秒の好記録で優勝。

 6月は、アメリカ・ボストンの「B.A.A. 10K」に出場し、世界トップ級の選手に割って入って28分27秒のタイムで8位入賞している。

 7月はゴールドコーストマラソン(オーストラリア)で30kmまでペースメーカーを務め、30kmを「余裕を持って」1時間30分10秒で走った。

 もちろんそれぞれのレースに出場したのは、明確な狙いがあった。

「Tokyo : Speed : Race」の5kmは「試合勘を忘れないようにする」こと。「B.A.A. 10K」は「世界トップクラスの選手が出るので、そこでどこまで勝負できるか」という力試しで、“世界”をいっそう意識する場になった。そして、ゴールドコーストマラソンは、ボストンのダメージも残るなか高強度の練習の一環でペースメーカーを担い、その役割を完遂した。

 なかでもボストン遠征で、世界のトップランナーの駆け引きを、身をもって体験したことは、何よりも得難いものになったという。

 工藤は、今年3月の東京マラソンで学生歴代4位の2時間7分34秒の好記録をマークし、日本人5番手(全体20位)となり、ロサンゼルス五輪代表選考会MGC(マラソングランドチャンピオンシップ)の出場権を獲得した。はたから見れば、初マラソンとしては上々の結果と言えただろう。

 ところが、35km過ぎにふくらはぎを攣ってしまうなど、工藤自身にとって決して会心のレースとはいえなかった。それゆえ、前半戦は「マラソンへの適応」をテーマとし、チームメイトとは異なる流れで鍛錬を重ねてきたというわけだ。

「能力を上げる期間にするというか、オフシーズンじゃないですけど、冬を完全に鍛錬期に当てる短距離的な(スケジュールの)組み方になった。トラックシーズンというか、前半戦は、スピードを含めて、全体的に能力が引き上がる良い期間になりました」

夏合宿での工藤
夏合宿での工藤

 逞しくなった姿を披露する場となったのが、9月27日のThe Road of WASEDAだった。実戦的な練習の一環としてロード5kmを2レース走り、13分51秒、13分44秒と13分台を2本そろえた(レース間は約26分だった)。しかも、それぞれで組1着だったことも付さねばなるまい。

 そして9月末で鍛錬期は一区切り。10月12日に行われた出雲駅伝では、さっそくその成果があった。

 アンカーを担った工藤は、先頭でタスキを受けると、全く危なげないレース運びで、早稲田16年ぶりの優勝のフィニッシュテープを切った。しかも、慎重にレースを進めたにもかかわらず、6区の日本人最高タイ記録をマークして区間賞を獲得した。

 出雲では余裕を持って走っていただけに、この先に続く、全日本大学駅伝、箱根駅伝、そして、その後のマラソンに向けて、期待感はいっそう高まる。リミッターを外して、フルスロットルでレースに臨んだ時、工藤はとんでもない走りを見せてくれるのではないだろうか。

出雲駅伝で優勝のゴールテープを切った工藤 photograph by Yuki Suenaga
出雲駅伝で優勝のゴールテープを切った工藤 photograph by Yuki Suenaga

実は「上りより平地が得意」

 動画では次のようなテーマについて語っている。

  • 山口智規のアジア大会・銀メダルをどう見たか
  • 収穫が多かったボストン遠征「後半かなりペースが」
  • 「ルーキーに未知数」駅伝は上級生が鍵を握る
  • 注目のルーキーズについて「みんなバラバラです(笑)」
  • マラソンに必要なスピードとは何か
  • 三大駅伝は全部区間賞を狙う。箱根は5区?
  • 実は上りより「平地が得意です」

 このインタビュー前編では、マラソンを見据えた上での前半戦の振り返りと、注目のルーキーズについて、そして、駅伝シーズンへの意気込みを語ってくれている。ぜひご覧いただきたい《後編はこちら》

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