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【インタビュー】「中国の壁は私が壊す」張本美和16歳が語る世界ランク1位への“大金星”と課題克服の道筋「これは卓球人生が終わるまで生涯続きます」
「やっぱりあの色のメダルが欲しいな」
16歳の張本美和は、パリ五輪の表彰台で中国選手の胸にひときわ輝く金メダルを見て、心の中でそうつぶやいた。
8月10日の卓球女子団体決勝戦。世界チームランキング2位の日本は同1位の中国と対戦。初の五輪金メダルをかけて世界王者に挑んだが、初戦ダブルスを2対3で落とすと、シングルスも2連敗。ストレートで敗れ、銀メダルに終わった。
「目指していた金メダルを取ることができなくて本当に悔しいけど、一番の目標は最後まで諦めずにプレーをすることだったので、達成できてよかったと思います」と涙を拭い、精一杯の笑顔を見せた。
敗れはしたが、張本は大舞台で確かな存在感を示した。中国では、「兄(智和)よりも恐ろしい脅威だ」、「甘くみてはいけない」と急成長を警戒されるほどだった。
記憶に刻まれたカウフマン戦
そんな張本が五輪初出場にしてエースポジションを任され、「オリンピックの試合の中で一番苦しくて印象に残っている」と振り返るのが団体準決勝のドイツ戦だ。
初戦のダブルスは早田ひな、平野美宇ペアが勝利。第2試合のシングルスに登場した張本の相手は18歳のアネット・カウフマンだった。183cmの長身と長い髪がトレードマークの新鋭だ。当時、世界ランキング8位だった張本に対し、カウフマンは100位。二人は'19~'21年にかけてユース世代の国際大会で3回対戦しているが、張本が全勝していた。
「まだ自分は小学生だったし、過去の成績はあまり参考にならないなと思って。カウフマン選手は前日、準々決勝のインド戦で2勝していて、強いなという印象だったので試合動画をじっくり見て準備したんです」
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