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【卓球女子団体】「あそこからが中国の強さなんです」4大会連続メダルも“金”に必要な力と“パリの忘れ物”《早田ひな/平野美宇/張本美和》
2024/08/20
悲願の金メダルを目指し、「次こそは中国を倒す」と固い決意で挑んだ女子団体の3人組。だが今大会も高い壁にはね返された。その差はどこにあるのか、今後の光明は見えたのか――。(原題:[4大会連続メダルの先に]早田ひな/平野美宇/張本美和「打倒中国までの“あと1本”」)
今年2月の世界選手権団体戦。日本は銀メダルに終わったものの、決勝戦で大会5連覇中の中国から2勝を挙げ、あと一歩のところまで追い詰めた。
「次は勝ち切りたい。オリンピックで借りを返せるように頑張っていきたい」
平野美宇は悔しさを滲ませ、そう誓った。張本美和も無念の涙を浮かべていた。
その一方で早田ひなが「中国をびびらせる雰囲気が出ていた」と感じていたように、卓球帝国の撃破は、より現実味のある目標へと変わった。
「次こそは中国を超えてみせる」
そんな決意とともに、この半年間、彼女たちは己の技を磨き続けてきた。
そして8月10日、オリンピックの決勝という最高の舞台で再び中国と対峙した。
だが、エースの早田はこの大一番に不安を抱えたまま臨むことになった。フルセットの死闘となったシングルス準々決勝で利き手の左腕を負傷。1日4~5時間を治療にあてる苦しい状態だったが、「目標を持っているからどんな痛みにも耐えられる」と、懸命に前を向いてコートに立った。
機能した“ひなみわ”ペアも、あと一歩が遠く。
第1試合のダブルスでは、今大会初めて張本美和との“ひなみわ”ペアに変更。帝国を相手に奇襲を仕掛けた。
実はこの組み合わせは、渡辺武弘監督によれば「3月ぐらいには構想を練っていた」という。最終決断は2日前のドイツとの準決勝の後だった。「左と右のペアの方が力を発揮できるし、張本は意外性のあるボールを出せる」(渡辺監督)。中国に先手を打ってプレッシャーをかける作戦で、選手たちとも「勝つためにはこのオーダーしかない」という共通認識を得ていた。
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photograph by Naoya Sanuki / JMPA