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「WBCとは、新たな旅の出発点だった」大谷翔平の中で目覚めた“頂点への渇望”…決勝後トラウトもベッツに問うた「プレイオフってこんな感覚なのか?」
野球の伝道師になる。
大谷翔平は2023年の第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)への参加理由を、こんな風に語っている。
「僕自身が一番野球を楽しい時期に、そういうプレー、試合を見させてもらって、いつか自分がここでプレーできたら面白いだろうなと、一つの夢として思っていた。今度はこの大会で自分たちのプレー、戦う姿を見て、子供達がまた同じ思いを抱いてくれたらいいなと思う」
岩手・奥州市立水沢南中学校の2年生のときに大谷少年が観たのが、2009年のWBC第2回大会だった。日本は決勝で韓国と激突。延長戦の末にイチロー外野手の決勝タイムリーで、第1回大会に続く連覇を果たした。その記憶が大谷の日の丸への原点となったのである。
あれから14年が経ち、大谷はイチローと同じメジャーリーガーとなっていた。そしてあの時、イチローや日本代表の選手たちが自分に伝えてくれたように、子供たちに野球の素晴らしさ、面白さを伝えたい。勝つことの喜び、世界一の選手となることが決して夢でないと伝えたい。そのためにWBCの舞台に立つときがやってきたのだ。
大谷がアリゾナ州メサのエンゼルスキャンプから日本へと旅立ったのは、オープン戦登板を終えた現地時間2月28日の18時過ぎだった。チャーター機で東京に着いたのは3月1日。そこから時差ボケ調整をして、3日に名古屋にいるチームに合流した。
球場ではほとんど初対面となるチームメイトに「何歳ですか?」と年齢を確認。「まず顔と名前をしっかり覚えています」と語り、5日に大阪市内の焼肉店で行われた選手だけの決起集会にも参加した。
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