バスケットボール女子日本代表として数々の国際舞台で活躍し、銀メダルに輝いた東京大会を含めて3度の五輪に出場している高田真希(デンソーアイリス)。“現役アスリート社長”として知られる彼女が、イベント業などを取り扱う「株式会社TRUE HOPE」を設立したのは30歳、2020年のことだった。
「女子バスケットボールは'16年リオデジャネイロ五輪でベスト8に入ったり、アジアカップを連覇したりと、国際大会で実績を残すようになっていたのですが、国内の『Wリーグ』が満員になることはなく、盛り上がりに欠けていました。どうしたらもっと人気が出るのか、バスケットボールが認知されるのか。課題感を抱えながらプレーしている中で考えたのが、現役だからこそ出来るやり方があるということでした」
高田が指摘するように、Wリーグの試合はプレーオフなどを除けば空席が目立つことが少なくない。
「足りないと思っていたのは試合を見るきっかけを作ることです。それならば、イベントなどで自分自身が直接触れ合うことで、“あ、この人は日本代表なんだ”と関心を持ってもらえれば試合会場に足を運んでくれる機会が増えていくのではないか。そう思って会社を興すことを決めました」
会社の許可を得る必要があるためスピード感が落ちてしまう。
バスケットボールの普及を目的とするイベントは実業団チームももちろん行なっている。しかし、回数や時期が限られており、高田の場合は日本代表合宿と重なるため所属チームのイベントに参加できないということも多かった。個人で何かをやろうとしても会社の許可を得る必要があるためスピード感が落ちてしまう。そういった悩みをできる限り解消し、自身が主体となって企画の立案から実行まで執り行なうために作ったのが「TRUE HOPE」だ。
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