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《「5G」の一角》横山典弘56歳、見えてきた“岡部超え”2943勝の偉業…武豊に漏らした「でも、どこまで頑張っても2位だから」<Best Selection>
2024/09/10
2024年1~7月にNumberPREMIERで公開された記事の中で、人気の高かった記事を再公開します。今回は競馬・横山典弘騎手の記事です。《初公開:2024年2月23日/肩書などはすべて当時》
年明けの4日から栗東トレーニングセンターで幸運に恵まれた。サブスタンドのベンチに待機していた横山典弘を武豊が目ざとく見つけ、早足で駆け寄って新年の挨拶を交わすシーンを目撃できたのだ。
横山が調教に出たのは前日の3日からだったが、武の栗東初出勤が金杯前々日のこの日だった。
武としては、先輩に敬意を払う当たり前の流儀を実行したのみなのだが、横山は少し意表を突かれた表情だった。しかしそれを一瞬で立て直し、ベンチから立ち上がって出迎えた。「有馬記念のお祝いをまだ言ってなかったな。いや、本当に見事な競馬だった。むしろこっちから出向かなければいけないところだったのに申し訳ない」と、彼らしい言葉で恐縮の気持ちを伝えた。
レジェンド二人が続けた短い問答がなんともカッコよかった。
「ノリさんも、間もなく岡部さん超え(岡部幸雄元騎手の史上2位の通算勝利数に迫っている)らしいじゃないですか」
「おう。でも、どこまで頑張っても2位だからなあ」
横山が生活の拠点を美浦から栗東に移してから3回目の正月を迎えた。若い頃、アメリカやフランスに拠点を移す大冒険を実行してきたのが武だが、その人が「50歳を超えてからのノリさんの思い切った行動はすごいと思います。刺激を受けずにはいられません」と、当初からリスペクトを惜しまなかった。
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photograph by NIKKAN SPORTS