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「まさかここまで共感できるとは…」鍵山優真と白井健三が語りあった“ジャンプ”と“ひねり”の違い、新技習得の哲学<スペシャル対談/2022年>
―フィギュアスケートと体操には共に空中回転の技があり、さまざまな共通点そして相違点があると思います。今日は今季の鍵山選手の演技に触れながら、スケートで「4回転ジャンプ」、体操で「4回ひねり」を行ってきたお二人に、それぞれの回転技についてお話をいただければと思います。白井さんはスケートをよくご覧になっているそうですね。
白井 体操は横回転の「ひねり」だけでなく縦回転もある、というのが一番の違いでしょうか。体操では床の反力を使って回りますが、スケートは氷の上を滑りながらどうやって跳躍と回転に繋げるのか、体操より難しいのではないかと興味があります。
鍵山 僕はスピードを大事にしています。スピードに乗ったまま、体重移動をして回転を作っていきます。踏み切りで足を前に出して、腕を引き寄せて足を締めた時に、シュッと回転する感じがでる、というイメージです。
白井 シュッとする感じは同じですね。ただ、体操は跳び出しも着地も両足なので、片足ずつの体重移動はなく、上半身と下半身を分けて体重移動することはあります。足を振り上げるという技術は新鮮ですね。
空中にいる間は考えるよりも「感覚」で。
―北京五輪のショートの4回転サルコウは、スピードがあり、鍵山選手の良さが出ているジャンプでした。
鍵山 スピードを出していると軸の締め方がすごく大事なのですが、あの時は、スピードに乗ったまま軸がスッと上がってくれて、理想的な4回転サルコウが跳べたと思います。
白井 僕は2つ目の4回転トウループがすごく余裕あるなと思って見ていました。着氷の準備をして、軸を緩めてから降りてきていますよね。早めに開く余裕があるということでしょうか?
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