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「まさかここまで共感できるとは…」鍵山優真と白井健三が語りあった“ジャンプ”と“ひねり”の違い、新技習得の哲学<スペシャル対談/2022年>

2022.2.10 Beijing Winter Olympics/2016.8.14 Rio Summer Olympics
質の高い4回転ジャンプで五輪メダリストとなった18歳のトップスケーター。「ひねり王子」と呼ばれ自身の名を冠する新技を次々に生み出した元体操日本代表。同じ採点競技をフィールドとする2人が語り合う、「強く美しい」技の習得法とは。(初出:Number PLUS FIGURE SKATING TRACE OF STARS 2021-2022シーズン総集編[フィギュア×体操対談] 鍵山優真×白井健三 「ジャンプとひねりの奥深き世界」)

―フィギュアスケートと体操には共に空中回転の技があり、さまざまな共通点そして相違点があると思います。今日は今季の鍵山選手の演技に触れながら、スケートで「4回転ジャンプ」、体操で「4回ひねり」を行ってきたお二人に、それぞれの回転技についてお話をいただければと思います。白井さんはスケートをよくご覧になっているそうですね。

 

今回が初対談となる2人は、ともに父が同じ競技の選手だったという共通点も持つ。フィギュアスケートの技術に強い興味を持つ白井は、今季の鍵山の活躍にも熱い視線を注いだ
今回が初対談となる2人は、ともに父が同じ競技の選手だったという共通点も持つ。フィギュアスケートの技術に強い興味を持つ白井は、今季の鍵山の活躍にも熱い視線を注いだ

白井 体操は横回転の「ひねり」だけでなく縦回転もある、というのが一番の違いでしょうか。体操では床の反力を使って回りますが、スケートは氷の上を滑りながらどうやって跳躍と回転に繋げるのか、体操より難しいのではないかと興味があります。

鍵山 僕はスピードを大事にしています。スピードに乗ったまま、体重移動をして回転を作っていきます。踏み切りで足を前に出して、腕を引き寄せて足を締めた時に、シュッと回転する感じがでる、というイメージです。

白井 シュッとする感じは同じですね。ただ、体操は跳び出しも着地も両足なので、片足ずつの体重移動はなく、上半身と下半身を分けて体重移動することはあります。足を振り上げるという技術は新鮮ですね。

空中にいる間は考えるよりも「感覚」で。

―北京五輪のショートの4回転サルコウは、スピードがあり、鍵山選手の良さが出ているジャンプでした。

鍵山 スピードを出していると軸の締め方がすごく大事なのですが、あの時は、スピードに乗ったまま軸がスッと上がってくれて、理想的な4回転サルコウが跳べたと思います。

白井 僕は2つ目の4回転トウループがすごく余裕あるなと思って見ていました。着氷の準備をして、軸を緩めてから降りてきていますよね。早めに開く余裕があるということでしょうか?

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photograph by Asami Enomoto/JMPA・ AFLO

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