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《ルヴァン決勝展望》アビスパの初タイトルへの野心か、攻撃面で優位なレッズの経験か。【キープレーヤーは浦和CFと福岡CB】

2023/11/03
ともに堅い守備と強力な点取り屋を誇る2チームが、ファイナルの舞台へ進んだ。悲願の初タイトルを狙う九州の雄か、2度の優勝歴を誇る赤のプライドか。11.4国立決戦を制すのはどっちだ。

 撃ち合いでは、ない。ロースコアの僅差勝負こそ、最も可能性の高いシナリオだろう。

 何しろ、双方の強みが実に堅牢な守りにある。今季のリーグ戦(第29節終了時点)における失点数を見ても、浦和の22失点はJ1最少だ。

 とりわけ、中央のトライアングルは鉄壁の域にある。守護神の西川、2センターバックを組むショルツとホイブラーテンの北欧ペアは、攻守の両面で別格の存在感を放つ。

 一方、福岡の総失点は31。上から7番目に過ぎないが、後半戦に限ると、1試合平均の失点数は0.75で浦和のそれとほぼ同じだ。9月から基本布陣を3バックへ転換し、一段と穴が少なくなった感がある。こちらも、主将を担うセンターバックの奈良を軸にした中央の守りが厚く、大崩れがない。

 どちらも〈1点取れば、まず負けない〉というわけである。ちなみに5月の対戦時(リーグ戦)は0-0のドローだった。今回は一発勝負のファイナルだ。延長でもスコアが動かず、PK戦での決着という筋書きも十分に考えられるだろう。

浦和が攻め、福岡が守るところからどう点を取っていくか。

 互いに堅守を誇るという点で共通するが、攻撃のアプローチは大きく違う。後ろから丹念にパスをつないでボールを前進させるポゼッション志向の強い浦和に対し、福岡は手数をかけず、ダイレクトに敵のゴールへ迫るカウンター型だ。リーグ戦における1試合平均のボール保持率を見ても、浦和が52.2%で、福岡が44.2%と大きな開きがある。

 これらを踏まえて試合展開を占えば、浦和が攻め、福岡が守る図式。そこから互いにどうやって点を取るのか。ゲームの行方を左右する最大の焦点だろう。

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photograph by AFLO / J.LEAGUE

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