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《菊花賞を読む&占う》タスティエーラ、ソールオリエンスが軸も混戦の様相「3000mの距離にいつまでこだわる?」

2023/10/15
左からタスティエーラ、ソールオリエンス
皐月賞、ダービーを共にワンツーで分け合い、しのぎを削った2頭がみたび、顔を合わせる。ついに決着か、それとも伏兵が現れるのか。豪華メンバーとなった菊花賞の行方を占う。

 菊花賞(10月22日、京都競馬場、芝外回り3000m、GI、1着賞金2億円)は、3歳牡馬クラシックの最終戦。牝馬の挑戦にも門戸は開けられているが、なにしろ消耗が激しい長距離戦だ。戦ったあとのダメージを考慮せざるを得ないわけで、最近は屈強な牡馬でも参戦をためらう流れができてきている。今年なら牝馬二冠のリバティアイランドがエントリーしてくれば、牡牝にまたがる三冠成るかで大きな話題を集めたはずだが、ダービー挑戦の噂はわずかに囁かれたものの、菊花賞を窺う話はまったく聞こえなかった。

 日本のクラシック戦線の体系は英国にならったものとしてよく知られる。春の2000ギニーステークス(ニューマーケット、芝1609m)、ダービーステークス(エプソム、芝2420m)、夏を越してのセントレジャーステークス(ドンカスター、芝2920m)が、距離を少し調整されて皐月賞、ダービー、菊花賞に置き換わった形だ。

 ダービーを制する早熟性と、長距離を走破できるスタミナを併せ持つ馬が最上のサラブレッドと認識され、セントレジャーステークスがクラシックレースの中でも最高の権威を誇っていたのはすでに昔の話になった。英国の三冠馬は1970年のニジンスキーが最後。それ以前から春の二冠で活躍した馬たちのセントレジャー参戦は明らかに減少しており、3歳の有力馬の秋の進路は凱旋門賞やチャンピオンステークスに向かう傾向が近年は特に強まっている。クラシックホースのセントレジャー参戦は三冠がかかっているときに選択肢の一つに入るかどうかなのだ。

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photograph by Photostud

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