
今年の春から国際統括団体であるワールドラグビーは、「プレーヤーウェルフェア向上」という名目のもと、ルールの試験的変更に取り組んでいる。中でもピッチ上のラグビーに多くの変化をもたらしているのが、タックルにおける基準の改正だ。
今までは、肩より上へのタックルが反則とされてきた。だが今回、その基準が胸骨(みぞおちの上あたり)まで引き下げられた。これによって、ダブルタックルに入る選手がハイタックルの反則を取られる機会が増えている。胸骨を越えて頭頸部への接触が認められた場合、ほぼカードが出ると言っていい。選手の安全を守るため、年々ルールは厳格化される傾向にある。

変化は数字に表れている(データ参照)。プール戦1試合当たりのイエローカード数は、'19年W杯が0.68枚。今大会は全チームプール戦3試合消化時点ですでに1.22枚とほぼ倍の数値である。カード総数46枚、ペナルティ数674も'19年W杯を大きく上回る。今大会のレッド7枚のうち6枚はタックルやオーバーの際、相手の頭頸部に接触したことが要因となっている。
そして今大会で新たに加えられた制度が「バンカーシステム」。ピッチにいるレフリーがレッドカードを出すべきか判断できないが、少なくともイエローカードの基準を満たしている場合、まずはイエローを切る。その選手は、シンビンの規定に従って10分間フィールドから退場。その後「バンカー」と呼ばれる別室で待機しているレビューオフィシャルが8分以内に映像を確認して、レッドカードに値するかを決定するという仕組みだ。
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