4年に一度の大舞台に全身全霊をかけるのは日本代表ばかりではない。世界中の猛者が放つ異常な熱は、開幕戦から好勝負を次々に生んでいる。各プールから選りすぐった一戦を迫力の写真とともに振り返る。
楕円の球はさながら椰子の実、片手でつかんでヒョイヒョイ振り回す。天性の脚力がタックルを無駄撃ちの弾とする。トライを狙うサポートの渦に喜びは満ちた。フィジーはそうやってオーストラリア代表ワラビーズを退けた。のではない。
規律を守る(反則は7。ワラビーズは18)。スクラムを押す。タックル後のボール争奪では全身を鉄球とさせ、目の前の物体を砕き割った。そしてプレースキックのスコアをこつこつと貯める(先発のSHクルヴォリは5度の機会にすべて成功)。愛称フライング・フィジアンズはそのように戦い抜き、敵将エディー・ジョーンズのはったりと紙一重の自信を太平洋のどこか遠くまで放り棄てた。
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photograph by JIJI PRESS