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「甲子園の“正解”はひとつじゃない」慶應義塾・森林貴彦と仙台育英・須江航が語らう「選手が求める野球」とは?<名将対談>

2023/09/12
左から慶應義塾・森林貴彦監督、仙台育英・須江航監督
第105回夏の甲子園は、連覇を狙った仙台育英を107年ぶりの優勝を目指した慶應義塾が制して幕を閉じた。その指導法も注目される両監督が、激闘を語り合った。

須江 改めて、決勝戦はありがとうございました。

森林 こちらこそ、お疲れさまでした。

――慶應義塾は夏の甲子園で連覇を目指す仙台育英を8-2で下し、107年ぶりの日本一となりました。森林監督、新チームが始動した現状はいかがですか?

森林 こんなに長く甲子園にいたことがなかったので、例年なら1カ月かけてやるべき練習ができず、期待が少し、不安がいっぱいです。周りは「2年生のレギュラーも残っているから大丈夫でしょ」と言いますけど、そんなに簡単な話ではないですから。

――仙台育英は連覇こそ逃しましたが、2年連続で「一番長い夏」を過ごしました。

須江 昨年の優勝から今年の準優勝までの日日がひと続きのように感じていて、それが終わって新しいものが始まるというワクワク感が大きいです。ただ、秋の公式戦は練習が1日のみで初戦の東北戦を迎えたので、なんとか勝たせてもらいましたけど、エラー、サインミス……あらゆる不安材料をコンプリートしました(笑)。まあ、チームとしては「まだこんなもんだから」と悲壮感が漂うこともありません。

――甲子園の前と後で、チームにどのような変化を感じていますか?

森林 3年生は大学で頑張ろうという選手もいますし、燃え尽きた様子はないですね。2年生も「いよいよ自分たちの出番だ」と、ギラギラしています。

須江 うちも準優勝という結果以外は悔いのない大会でしたから、満足しています。でも2年生は、答えのない新たな問題を提示された感じですね。昨年は優勝で今年は準優勝と、どちらの代も優れている部分はあったのに結果が違うわけで、これから何を突き詰めていくべきなのか、と。

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photograph by Hideki Sugiyama
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