#1073
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【潜入取材】「坂路コースは延伸、高低差増」山元トレセンはどんなところ?〜ソールオリエンスの“第二の故郷”〜

2023/05/18
近年、ふたたび目覚ましい活躍を見せている、社台ファーム生産馬。3歳世代の先頭を走るソールオリエンスを筆頭としたトップホースの“第二の故郷”である外厩、山元トレセンで躍進の背景を探った。

 常磐自動車道を宮城の山元インターで降り、国道6号線を10kmほど南下する。脇道に入り、森の切れ目の住宅地を抜けた先に「山元トレーニングセンター」がある。社台ファームの前線基地として知られる、大規模な外厩(調教施設)である。

 取材に訪れたとき、皐月賞を圧勝したソールオリエンスがここにいた。馬房の窓から見せる顔は、牝馬と間違えるほど可愛らしい。スタッフに曳かれて出てくると、指示に素直に従い、カメラに顔を向ける。見知らぬ人間たちを前にしても、まったく動じず、自然体を崩さない。そんなソールオリエンスの姿が、実は、ここ山元トレセンで過ごす効力を体現しているのだ――。

皐月賞後、山元トレセンで調整するソールオリエンス  Keiji Ishikawa
皐月賞後、山元トレセンで調整するソールオリエンス Keiji Ishikawa

 今年の皐月賞には、ソールオリエンスを含め4頭の社台ファーム生産馬が出走していた。社台ファームは2009、'10年と2年連続生産者リーディングになって以降2位がつづいているが、昨年の菊花賞でアスクビクターモアとボルドグフーシュが1-2フィニッシュを決め、今年は3歳重賞を6勝(うちGI2勝、5月7日終了時)するなど、生産馬の活躍がとみに目立つ。

 その躍進を支えているのが、デビュー前の調教とレースの合間の調整を担う山元トレセンである。1992年に開設され、今年32年目を迎えたここには、10棟の厩舎があり、約300頭を収容できる。一周1100mの周回コースと、全長900mの坂路コースがあり、どちらも素材はウッドチップ。ほかに、馬のランニングマシーンであるトレッドミルや、円形のウォーキングマシーンも複数ある(なお、10棟の厩舎のうち66頭分の2棟を、社台グループの追分ファームが使用している)。

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photograph by Keiji Ishikawa

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