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『逃げ』 パズルを解くような論理展開。 ロードレース全日本選手権の記録。

2019/01/11

 海外のサイクルロードレースはよくテレビで観ている。風景は興味深いし、スタートしたらとにかくゴールまで走るという直線性も、自分が観るのに向いている。牽制もマッチアップも、他の選手を絶望させる強烈なアタックも、すべてある地点からある地点に向かう途上で行われる。百人以上の選手が同じスタートラインに立つ、というのも非常に特徴的だと思う。対戦競技ならその試合についての思惑は大きく分けて二つだが、ロードレースはチームの数だけ存在する。さらに言うなら仲間の数だけ事態は複雑化する。

「自転車は集団で固まって走ると体力の消耗が少ない」ということをまず大前提として、その集団から抜け出して先行し、勝利を狙うなり、仲間がやってくるのを待つなりする、という作戦があって、それを「逃げ」という。本書はその「逃げ」で勝負が決まった二〇一四年の全日本選手権のレースを、スタートからゴールまで詳らかにする。

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photograph by Sports Graphic Number

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