無謀にもフルマラソンに挑戦したランニング超初心者である吉崎氏。
前回はスタート1時間半でまだ10km。制限時間内にゴール出来るのか?
前回はスタート1時間半でまだ10km。制限時間内にゴール出来るのか?
各関門には制限時間が設けられている。間に合わなければ即ゲームオーバーだ
まさかの尿意、そして歩きながらの携帯でのラジオ出演を経て、オレはようやく走りに集中しはじめた。スタートからすでに1時間半が経っていた。
中之島から、颯爽と飛ばした。給水所でボランティアの女子に「オレ、今から優勝するから」と話しかけたら、そこそこウケた。13kmあたりでは、ある横断幕にテンションが上がりまくった。
「頑張れ英ちゃん」
持ち主に話しかけた。オレも、英ちゃんなんすよと。相手はキョトンとしていた。じつはそれ「ヒデちゃん」で、気まずくて言い返せなかったのかもしらん。
御堂筋に戻り、千日前通りを右に曲がる。18km前後でペースが落ち、やがて歩いた。それまでも感じていた膝の痛みに耐えられなくなったのだ。心理的理由が大きかったんだろう。この付近では街頭応援との距離が離れ、かつ個人的に馴染みのない風景を走ることに。すると驚くほどにテンションが下がった。本番前は「プレッシャーだろ」と想像していた応援が、心の支えになっていたのだ。
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photograph by Sports Graphic Number