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江川卓の初勝利をサポートも「礼を言われた記憶はないなあ」新浦壽夫が見た“江川−小林繁トレード”のすべて「二人とも愚痴は言わず…立派だったよ」
posted2026/07/31 11:04
騒動の末に入団した江川卓。彼の初勝利をサポートするためにリリーフについた新浦壽夫は、新たな時代の到来をどう見ていたのか
text by

元永知宏Tomohiro Motonaga
photograph by
Kazuhito Yamada
1979(昭和54)年6月2日、江川卓はプロ初登板に挑んだ。
相手は阪神タイガース、場所は巨人の本拠地・後楽園球場だった。
先発した江川がマウンドで一礼すると、観客からは拍手と同時に罵声が飛んだ。4回にリロイ・スタントン、7回に若菜嘉晴とマイク・ラインバックに本塁打を打たれて5失点。8回まで投げたものの、敗戦投手となった。この日のテレビ視聴率は36.4パーセント。大物ルーキーへの注目度の高さがわかる。
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1週間後の6月9日、中日ドラゴンズ戦に先発した江川は5回1失点でマウンドを降りた。
江川の初勝利を新浦がサポート
6月17日、江川にとって3度目の先発。後楽園球場のブルペンには新浦壽夫の姿があった。
7回まで3安打1失点の好投を見せた江川だが、1死二塁のピンチを迎えた時に鼻血を出すハプニングが起こった。トレーナーが止血を試みたが、そのまま降板。その後、鹿取義隆がリリーフに立ち、最後を新浦壽夫が締め、江川がプロ初勝利を挙げた。
「ウイニングボールはどうしたんだろう? 『おつかれさん』と言って江川に渡したのか、キャッチャー経由で江川のところにいったのか……まあ、本人が『ありがとうございます』と言ってきた記憶はないなあ」(新浦)
その後、江川は勝利に恵まれなかった。7月は勝利なし。8月に4勝、9月に2勝、10月に2勝を挙げた。江川の1年目の成績は27試合に登板して、161イニングを投げ9勝10敗、防御率2.80だった。完投が7、完封が2。
現在の基準で考えれば、新人としては十分な成績だと思える。しかし、入団までの経緯が経緯だけに、当時はそうとは言えなかった。


