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号泣する田中碧にクーニャが近寄り…敗北後のピッチで何が起きていた? 勝者ブラジルにも“異変”「もう一度、久保建英をピッチに」叶わなかった思い
text by

戸塚啓Kei Totsuka
photograph byTakuya Kaneko/JMPA
posted2026/07/01 17:01
ブラジル戦後、失意の田中碧に寄り添うキャプテンの板倉滉
かつて見たことのない“ある光景”
試合後の取材エリアを通った田中は、足を止めることなく去っていった。瞳は真っ赤で、落胆の色が全身に貼りついていた。質問に答えるのは難しかったに違いない。
その代わりではないが、板倉がマイクの前に立った。あくまでもチームとしての結果だ、ということを強調した。
「彼がどうのこうの、彼のミスがどうのこうの、というのはまったくなくて。チームとして戦って、チームとして負けた。それだけだし。なんて言うんだろうな……」
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ここまで話すと、言葉を詰まらせた。うん……とつないで、黙考する。キャプテンは決して田中をひとりにしなかった。
「僕も悔しいし、彼も悔しい思いがあったと思いますけど。彼がいなかったら自分たちはここまで来られていないし、こういうサッカーを体現できていない。誰のミスとかそういうことじゃない」
ブラジルは、W杯最多5度の優勝を誇るサッカー王国である。彼らには決して譲れないプライドがある。選手だけでなくサポーターも、プライドを持ってカナリア色のユニフォームを身にまとっている。
ブラジルの選手は、サポーターは、後半アディショナルタイムの決勝点に歓喜を爆発させた。アジア勢から奪ったゴールに、逆転勝利に、ブラジルがありったけの感情を解放する──かつて見たことのない光景だった。
日本は今回も勝ち切れなかった。勝負強さを見せつけられた。そう言われるかもしれない。
ただ、森保一監督と選手たちは、5度の優勝を誇る王国を追い詰めた。勝利を逃したとしても、それは揺るがない事実である。

