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なぜ巨人だった? 小笠原慎之介の日本復帰「巨人だけが示した“積極性”の正体」と古巣・中日が手を挙げなかった「合理的な理由」米球界のビジネス事情
text by

山田結軌Yuki Yamada
photograph byJIJI PRESS
posted2026/06/22 06:02
巨人に移籍した小笠原
中日が手を挙げなかった理由
巨人は今すぐ獲得したい。ナショナルズは、メジャー戦力として見なしていない左腕のコストを“損切り”したい。シーズンの残り日数を換算した場合、小笠原の今季の残り年俸は110万ドル(約1億7000万円)と推測できる。この大部分を巨人が支払い、小笠原の移籍金とするなら、ナショナルズは保有権を手放す。実際、米球界関係者は「巨人は年俸の残り全額を支払ってでも、今すぐ獲得したい、というオファーをしたようだ」と明かした。
つまり、小笠原の残り年俸を支払う意思と資金力のあった球団が、巨人だった、という背景がある。中日は小笠原のポスティング譲渡金で70万ドル(約1億1200万円)を得た。仮にこれ以上の金額を保有権の譲渡の移籍金としてナショナルズに支払わなければいけない場合、中日はわざわざ出費をして、小笠原のメジャー移籍を叶えたことになってしまう。中日が具体的なオファーをしなかったとすれば、こうした事情があるのではないだろうか。ここでは、ファン心理や感情論ではなく、ビジネス要素が獲得を左右する。
米球団にとっての「ビジネス」
シーズン途中での日本球界復帰の場合、所属している米球団がビジネスとしてプラスにならなければ実現が難しい。解雇すれば、年俸の満額支払いの義務がある。いわゆる“塩漬け”のまま選手を保有して、シーズン終了を待てばいい。もし、シーズン途中に日本球界から獲得オファーが届けば、ビジネスとしての取引に転ずることができる。ナショナルズとしては、あわよくば「小笠原というカード」で儲けられないか、と考えたに違いない。
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「必要とされるチームで勝つために投げられることが、選手としては一番だと思います」
2Aで先発を務めながら、左腕はもどかしい悩みを抱えていた。ナショナルズとその傘下で自分は必要とされているのだろうか。心がモヤモヤしているときに日本球界からのオファーが具体化した。今は、巨人の勝利のために投げる重圧を感じるとともに、勝負に戻る喜びも感じているはずだ。〈前編も公開中です〉

