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「同じフィギュアなのに…客席ガラガラ」ペア黎明期にあえて支援を決意「りくりゅう」を支えた社長「売れれば売れるほどマイナス」でもサポート続けた信念 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byAsami Enomoto

posted2026/06/13 11:03

「同じフィギュアなのに…客席ガラガラ」ペア黎明期にあえて支援を決意「りくりゅう」を支えた社長「売れれば売れるほどマイナス」でもサポート続けた信念<Number Web> photograph by Asami Enomoto

引退会見にも同席した木下氏(左)と「りくりゅう」の絆は深い

どこも手を挙げなかった支援をなぜ?

 同社は2006年のジャパンオープンでスポンサーになったあと、2009年12月、アイスダンスのキャシー・リード/クリス・リードと所属契約を結び、支援に乗り出した。それを皮切りに、アイスダンスとペアの選手たちを支えてきた。

「日本スケート連盟から相談を受けたことが始まりでした。(2014年の)ソチオリンピックから団体戦が始まる。そうなるとアイスダンスとペアが入ってくるので強化をしなければいけない。ただ、日本スケート連盟にはスピードスケートとフィギュアスケートがあるので、2つを均等にしなければいけない。さらにフィギュアスケートの中でもシングルとカップル競技がありますが、シングルに予算を回さなければならないので、カップル競技になかなか回しきれない。そこで、カップル競技の強化費用についての相談があったのです」

 その相談に応じて、カップル競技の支援に乗り出した。先述のキャシー、クリス姉弟のあと、2010年4月にはペアで活躍していた高橋成美/マーヴィン・トランとも契約。その後も、時にシングルの選手を支援しつつ、ペアの高橋成美/木原龍一、村元哉中/クリス・リードなど、両種目を今日まで支援し続けている。

ビジネス的側面は度外視した「深い理由」

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 実はカップル競技の強化のために連盟が支援先として相談したのは木下グループだけではなかったという。ただ、どこも手をあげることはなく、木下グループのみが快諾した。

 どこも手をあげなかったというのは、ある意味、自然なことでもある。国際大会での活躍などで注目が高まるシングルの選手への支援なら、企業としてのPRなり、何らかのメリットを見出せる。ただカップル競技は、成績面はシングルと対照的で国際大会で好成績が望めず、必然、関心も低かった。企業としてビジネス的な側面からは、支援するメリットを見出しにくい。

 しかし木下グループはサポートに乗り出し、継続してきた。

 その理由として木下氏が「原点」と明かすのは全日本選手権の光景であったと言う。

【次ページ】 “合理的”ではない支援の根底にある理念

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