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「浅田真央ちゃんみたいになりたい」11歳だった中井亜美がトリプルアクセルに挑んだ日「スケートのため新潟から千葉に引っ越し」女子高生メダリストになるまで

posted2026/02/28 17:00

 
「浅田真央ちゃんみたいになりたい」11歳だった中井亜美がトリプルアクセルに挑んだ日「スケートのため新潟から千葉に引っ越し」女子高生メダリストになるまで<Number Web> photograph by Sunao Noto/JMPA

日本のフィギュアで史上最年少のメダリストになった中井亜美(17歳)

text by

松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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Sunao Noto/JMPA

日本のフィギュアで史上最年少のメダリストになった中井亜美(17歳)。女子シングル銅メダルの高校2年生の素顔とは……。有料記事を特別に無料公開します。(初出:Sports Graphic Number 1137・38号/2026年2月5日発売 ※肩書などはすべて掲載当時のまま)

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五輪前から始まった「17歳の快進撃」

 練習の前後にこぼれる笑顔が、心中を雄弁に物語っていた。

「緊張感もあるんですけど、わくわくの方が大きいです。今の気持ちのまましっかりとオリンピックでも頑張れたらいいなと思っています」

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 4年に一度の大舞台を前に、中井亜美は楽しそうに思いを語る。その表情にいつわりがないことを、中庭健介コーチの言葉が裏付ける。

「とてもいいです、心身ともに」

「新星」と形容される。それも無理はない。中井は17歳を迎えた今季、ジュニアのカテゴリーからシニアに転向した。1年目から五輪代表を争う特別なシーズンに飛び込む形になったが、当初は「意識していないです」と口にしていた。

 しかし、ふたを開けてみると快進撃だった。初めて出場したグランプリシリーズのフランス大会ではトリプルアクセルを成功させて優勝。鮮烈なデビューを飾った。加えて、得点は227.08点のハイスコア。これは2月5日時点で、坂本花織に次ぐ今季世界得点ランキング2位に相当する。続くスケートカナダで3位になってグランプリファイナルに進出すると、勢いそのままに日本人トップの準優勝を果たす。十分表彰台を狙える位置につけて、ミラノ・コルティナ五輪を迎えることになった。

「(今シーズン開幕前は)ここまでの立ち位置になると思ってもいませんでした」

 率直にそう語る。

 ときに五輪シーズンになって頭角を現し、そのまま代表に昇りつめる選手はいる。ただ、勢いだけが原動力だと突如失速することも少なくない。そうした選手たちと比べて、中井には今の輝きが一時的なものではないと感じさせる芯の強さがある。

「真央ちゃんと同じジャンプを跳びたい」

 浅田真央に憧れてスケートを始めた。「真央ちゃんみたいになりたい」。その一心で五輪出場、そして浅田の代名詞でもあるトリプルアクセル成功を目標に据えた。

【次ページ】 「真央ちゃんと同じジャンプを跳びたい」

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