侍ジャパンPRESSBACK NUMBER
「WBC選手登録にあった“別リスト”」「球種伝達は“黒”じゃない」侍ジャパンが翻弄されたルール「ピッチクロック導入だけでは意味がない」日本野球の課題
posted2026/06/09 11:42
侍ジャパンのヘッドコーチを務めた金子誠氏があえていま「あの敗退」を振り返った。
text by

佐藤春佳Haruka Sato
photograph by
Yuki Suenaga
◆◆◆
2006年に第1回大会が行われたWBCは回を重ねるごとに注目度を高めてきた。大会の競技方式や細かいルールもその都度形を変えており、今大会ではMLB方式のピッチクロックとピッチコムを採用。しかし、実際にはその2つ以外にも複雑なルールが取り決められており、大会が始まってもなお解釈が曖昧だったり、運用が不透明なケースもあった。
――そもそも、選手登録の段階から複雑な手続きが必要だったと聞きます。
ADVERTISEMENT
金子 代表選手(30人)と予備登録(6人)をただリストアップすればいいという訳ではない。故障者が出た時に入れ替わる可能性がある予備登録選手とは別に、1次ラウンドの後に入れ替わる可能性のある選手も事前に登録する必要がありました。公表されているものとは別のリストがあるんです。
「投手・大谷」の選択肢はなかった
――確かにアメリカ代表は1次ラウンド後に、タリック・スクーバル(タイガース)など3投手を入れ替えて、ブルペン陣を強化しました。
金子 抜ける可能性のある選手、その場合代わりに入る可能性のある投手はそれぞれ事前に登録しておく必要がある。調子が悪いからといって印のついていない選手を入れ替えるわけにはいかないんです。
――日本も、アメリカのようにドライに1次ラウンド後に選手を入れ替えるという作戦もできたわけですね。
金子 かつてはそういう案が出たこともあったようです。ただ、やはりそれは現実的ではない。心情的に一緒に戦ってきた仲間という感覚もありますし、そもそもシーズンに向けて調整している段階で簡単に招集できるのはアメリカ代表くらいですから。

