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「なんだあのクレイジーなウェアは?」NIKEにとってACGとは何か…トレイルを走り、テントに泊まって考えた“アウトドアの本質”と空気を操るウェアの秘密
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涌井健策(Number編集部)Kensaku Wakui
photograph byNIKE
posted2026/06/10 06:00
NIKEが送り出す革新的なウェア「ラディカルエアフロー」
ACGのアパレル担当で、自身もフライフィッシングや自転車を愛するマイク・ミドルステターはこう語る。
「これはウェスタンステイツを速く走るため、つまり38度の気温の下で100マイルの距離を涼しく走るために設計されたツールです。無数の穴が開いていることによって、“ベンチュリ効果”が生じて、空気の流れが加速することにより、体を冷却する効果が生まれる。まさにサイエンスです。普通の人の直感には反するかもしれませんが、これを着ている方が、何も着ていないより涼しく感じるんです。例えば、長袖と半袖を比べると、下腕は長袖の方が涼しくなります」
ベンチュリ効果とは何か?
ベンチュリ効果とは、気体などの流体が物理的に狭い部分を通り抜けると、その流速が加速すると同時に圧力が低下する現象のこと(らしい)。身近な例では、霧吹きスプレーや自動車のキャブレターにも使用されているようだ。マイクが続ける。
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「ラディカル エアフローは奇抜な見た目ばかりが注目されるかもしれませんが、これは機能的なツール(道具)としてのあるべき形なんです。涼しさを追求した結果のメッシュ構造であり、脇の下や肘の内側に大きな穴。トップランナーのための専門性を追求したツールと言い換えてもいいかもしれません。
ただ専門性を追求して生まれたプロダクトが、結果的にACGの顔となるプラットフォームにもなりました。それがファッション性を帯びたり、ハイキングのためのベースレイヤーとして活用する未来も見えています。今後の展開を楽しみにしていてください」
そう、ラディカル エアフローはACGというブランドが刷新されたことの象徴であり、NIKEが培ってきたイノベーションの蓄積、そしてトレイルに宿る野性が融合したことの象徴とも言っていいだろう。そしてその象徴的なウェアが、道具としての機能美を兼ね備えている。
日本では6月初旬に発売されたばかり。NIKEでは、厚底シューズ以来の「絶対に試す価値あり」のアイテムだ。
NIKE社員の「個人的な話」に耳を傾けて
「90年代、ハイカーたちは茶色い皮の重い登山靴やウールのソックスという昔ながらのフットウェアにとらわれないようになってきていました。彼らは軽くて疲れないシューズ、ザックに気軽に付けられるようなシューズを欲していたんです。でも、ACGでそれを作ろうとした時になかなかテストしてくれる人を見つけられなかった。だから、あの頃はよく登山ガイドと仕事をして、色んなフィールドで自分もテストをしていました。ギアにオレゴン州の地名を付けたりね」
ポートランド郊外にある広大な国立公園「フォレストパーク」では、日がほとんど沈みかけ、巨木が立ち並ぶ一帯は暗くなり、食事が並んだテーブルを照らすライトの光が木々に反射していた。
そこでは数人のNIKE社員がマイクを握った。語られたのはシューズやウェアの新製品についてでもなければ、今売り出し中の契約アスリートについてでもない。彼らがNIKE社員として、そして1人の純粋なアウトドア好きとして、いかに自然と交わり、遊び、ギアを使い、そして作ってきたのか、という、いわばパーソナルな物語だった。
現在はコミュニケーション部門を担当するネイト・トベクセンは「汚れた僕のシューズ」を片手に、ACGチームに在籍した際に開発に携わった意外なアイテムについて語った。


