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箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
“箱根駅伝の王者”青学大に異変アリ?…関東インカレ「長距離トラック種目で入賞2人だけ」が意味するものは? 原晋監督は「合宿、やりすぎたのかな…」
posted2026/06/09 06:01
関東インカレ2部5000mに出場した(左から)古川陽樹、小河原陽琉、折田壮太の青学大トリオ。小河原の6位入賞のみの結果に
text by

酒井俊作Shunsaku Sakai
photograph by
Takashi Shimizu
梅雨のはじまりを予感させる鈍色の空のもと、JR宇都宮駅を出た路線バスは、ほどなく赤いテント看板が目を引く老舗餃子店を過ぎ、ビルの谷間を抜け、住宅街へと入っていく。Googleマップは40分ほどかかると教えてくれる。5月中旬。ジャージを着た学生がつり革につかまっているバスに揺られながら、あれこれ思いめぐらせた。
「V10」
来年の正月、青山学院大が箱根駅伝で挑む目標である。スポーツ界においてステータスのある響きだろう。2025年12月、東京・恵比寿ガーデンプレイスにおいて、強豪校の監督が一堂に会して行われたトークバトルで、抱負を問われた原晋は黒いマジックで「V9」と書きこんだ。
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1965年から9年連続で日本一に輝いたプロ野球巨人の黄金期をしめす金字塔であり、強さの象徴である。このことを意識して原がペンを走らせたのかはわからないが、ともあれ、「V9」は青山学院大のランナーたちが目指すべきゴールになった。
そして、26年1月2、3日、5区の黒田朝日が大逆転の快走で往路優勝すると復路も手堅い襷リレーで制し、9度目の総合優勝を果たしたのである。102回の箱根駅伝史をひも解けば、優勝通算回数の最多が14回の中央大であるように、上には上がいるが、特筆すべきは初優勝した15年以降の12年間で9度、頂点に立ったところにある。
そして27年は4連覇に挑む。
「黒田朝日卒業」という大きな課題
だが……チームには大きな課題があった。この春、絶対的なエースとして君臨した黒田が卒業したのだ。あの山上りでみせたような、たったひとりで形勢を逆転し、レースそのものまで支配してしまう“大砲”抜きで戦わなければいけない。
青山学院大はどうなるのだろう。
原晋はどうするのだろう。
近年の青山学院大は無類の強さを誇ってきた。「原メソッド」なる文句で喧伝されてきたように、選手が入れ替わっていく学生スポーツであっても、これほど長く組織として学生長距離界のトップを走りつづけられるのは、このチームに息づくカルチャーがあるからだろう。だから、来春も……。

