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「その時、思いが芽生えたのかな」市川華菜34歳が明かす“まるでドラマ”な結婚秘話…苦しむ元100m日本王者同士が結ばれた“深いラブストーリー”
posted2025/12/19 11:05
2022年に佐分慎弥さんと結婚した市川華菜さん
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矢内由美子Yumiko Yanai
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AFLO/本人提供
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2021年9月の全日本実業団選手権を最後に現役を退いた市川さんは、翌2022年3月に元陸上選手で日本選手権の男子100mを制したことのある佐分慎弥さんと結婚。今は2歳になったお嬢さんと3人で暮らしている。
「娘は私たち夫婦の子なのでやんちゃなのは間違いないですし、2歳ですが3歳の子と身長も体重も変わらないくらい大きくて、驚かれるくらいです。足も速くて、もうクラウチングスタートができるんですよ」
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可愛い盛りのお嬢さんの話になると、市川さんの表情がより生き生きする。
30歳で引退したのは2021年東京オリンピックという区切りもあったが、それよりも大きな要因だったのはアキレス腱の痛みだった。
市川さんはロンドン五輪後に調子を落とし、さらには腰も痛めたが、中距離に取り組むようになってからコンディションを取り戻し、2014年に400mのベスト、2017年に100mと200mのベストタイムをマークする完全復活を遂げた。
ところが2018年にアキレス腱痛を発症。2019年からは毎年ギリギリのところで現役生活を続けていたという。
「痛くて試合にも出られないくらいでしたから、29歳頃から引退については徐々に考えていました。でも、中途半端に辞めることはできないと思い、東京オリンピックまではやりたいとミズノに相談して、後押ししてもらいました」
佐分さんと出会った日「全部、陸上の話です」
そして、現役を続ける大きな理由のひとつだったのが佐分さんとの出会いだった。
市川さんは中京大学の学生と一緒に練習していた縁で、青戸慎司コーチに誘われて同大学の和歌山合宿に毎年参加していたが、2018年は青戸コーチが来られなくなる用事があり、代わりに中京大学大学院の博士課程で研究をしながら非常勤で陸上部のコーチングスタッフも務めていた佐分さんが和歌山合宿にやってきた。


