酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
20代で甲状腺がん完治「幸い、手術だけで…」“広陵時代に中村奨成とバッテリー”26歳150キロ超左腕はなぜ「韓国経由でNPB入り」を目指すのか
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広尾晃Kou Hiroo
photograph byToma Irokawa
posted2026/05/28 17:00
広陵高校、法政大学、日本通運と各カテゴリの強豪に所属する一方で、甲状腺がんを経験した平元銀次郎
「アジア枠が決まってから、群馬球団にも韓国のスカウトが毎回見に来てくれて、ちょうどSSGの外国人選手が怪我をして、その代替ということで移籍が決まりました。
アジア枠が始まって、韓国10球団はそれぞれ選手を獲得しましたが、初めての制度ですからフタを開けてみないとわからない部分があって、各球団は、そろそろ入れ替えに動いていたんです。平元投手には一応リスクは説明しました。6週間のチャンスは保証されるけど、それ以降の保証はない。逆にうまくいけば SSGだけじゃなくて、他の球団も含めてアジア枠を入れ替える球団に移籍できるチャンスがあるよという話はしました」
――色川さんから見た平元投手のアピールポイントは?
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「平元投手のように左で常時150km/hを超える球を6イニング投げられる投手は、KBOにはそんなにいない。左腕先発投手の速球のレベルでいえばソフトバンクのモイネロ投手とか、西武の隅田知一郎投手のクラスに近い。彼の場合はそのうえチェンジアップとスライダーで空振りも取れ、カーブでカウントを稼げるという武器を持っています。条件さえそろえばNPBドラフト指名されていたはずです。いつまでも独立リーグで投げていても評価しづらいのでタイミングさえ合えば、韓国に送り出したいなと思っていました。韓国は独立リーグよりもレベルは上ですし、台湾よりも上だと思います。韓国で結果を出せば、NPB球団も評価しやすくなるだろうと思っています」
期待と現実…新天地での挑戦が始まった
SSGランダースでの登録名は「銀次郎」。
5月9日のトゥサン・ベアーズ戦は、3回3安打6四球6失点で敗戦投手、5月21日のキウム・ヒーローズ戦は2回まで無失点だったが、3回に満塁本塁打を打たれた。4回、5回は三者凡退に抑えたが、KBOの各打者は思い切り振ってくる。この野球のスタイルに順応していく必要があるだろう。
実は、チームメイトの元ソフトバンク武田も8試合に先発して1勝6敗、防御率8.69と苦しんでいる。NPBとは異なる野球のスタイルに順応できていない印象だ。
平元に残された時間は限られている。いろいろなアクシデントに見舞われ、それを克服してここまできた26歳の平元は、自身の力で未来を拓くことができるだろうか。

