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突然の大谷ルール批判…なぜアメリカで賛否? 「エンゼルス時代は批判なかった」「不公平だ」ウラ事情…メジャーで出現しない“2人目の大谷翔平”
text by

水次祥子Shoko Mizutsugi
photograph byGetty Images
posted2026/04/29 06:01
大谷翔平に適用されている「二刀流ルール」。なぜ今、アメリカで賛否?
シーズン序盤の4月8日に大谷が敵地トロントでのブルージェイズ戦に投打の二刀流で出場したときには、塁に出たまま1回表を終えてその裏にマウンドに上がらなければならなかったため普通の投手よりやや時間がかかったということがあった。相手の1番打者ジョージ・スプリンガーがこのとき、大谷のウォームアップの時間が長過ぎるのではないかと球審に疑問を投げかけたのだが、これがきっかけで「二刀流だからという理由で長めのウォームアップという特別な恩恵を受けていいのか」ということが議論になった。
なぜ今なのかという点については、他にも理由がある。
二刀流の育成も…出現しない“2人目”
大谷が2018年に米球界に移籍し、現代のメジャーでも投打の二刀流が可能だと示したことで、MLBの球団でも自前で二刀流選手を育てようという空気が当時、広がった。二刀流をやりたいという選手をドラフトで指名して獲得し、マイナーで二刀流として育成している球団もある。しかしメジャーのレベルで投打を両立できる選手はいまだに育ってきておらず、今は、大谷以外はやはり無理なのではないかというムードになってきている。そして、他に二刀流が出てこないなら、二刀流ルールはやはり1球団だけへの特別待遇だと受け取る向きが多くなってきた。
ところで大谷ルールが作られたとき、それは大谷のためだけに作られたわけではなく、当時、メジャーでは野手登板が急激に増えていた時期だったことも影響していた。MLB公式サイトによると、大谷がデビューした2018年は、野手が登板したケースが前年より倍増し、史上最多の48例あった。無秩序に野手登板が増えていく中でそれを抑制しようと、二刀流ルールとともに野手登板ルールが作られ、投手登録の選手以外が登板できるのは「二刀流として登録された選手」「延長に入った場合」「試合が6点差以上ついた場合」という3つの規定ができた。こうした当時の事情は、多くの人はもう忘れているかもしれない。〈前回からつづく。下の【関連記事】へ〉
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