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「後悔はない」現役引退しコーチに…村澤明伸の苦難の陸上人生“故障が続いた理由”“大迫傑への思い”それでも「自分が悲劇的な選手とは思わない」 

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加藤康博

加藤康博Yasuhiro Kato

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photograph byShiro Miyake

posted2026/04/14 11:01

「後悔はない」現役引退しコーチに…村澤明伸の苦難の陸上人生“故障が続いた理由”“大迫傑への思い”それでも「自分が悲劇的な選手とは思わない」<Number Web> photograph by Shiro Miyake

現役を引退し4月からSGホールディングスのコーチを務める村澤明伸。大迫傑への思いや、コーチとして目指す夢までを語った

「中学2年で兄の背中を追うように走り始めました。当時は世界大会のメダルをイメージしていましたので、今の自分とはかけ離れているとは思いますが、その時、一緒に走っていた小学校の先生と“何歳まで競技を続けるか”という話になった時、キリがいいのでなんとなく35歳までと言ったんです。実際、私はこの3月で35歳になりました。その点では走り出した時の目標通り20年間、競技者として走ることができました。そしてその間、多くの方に支えられ、多くの経験をさせていただいたので、それを今後のコーチングに生かしていければと考えています」

これからは選手とともに

 これからは支える側に回る。指導するにあたり、高校や大学ではなく、所属するSGホールディングスでコーチとなったのは「これまで走る機会を与えてくれたチームに恩返しがしたいから」。指導実績のない自分に声をかけてくれたことに感謝し、求められることに全力で応じていきたいと話す。そんなところもいかにも謙虚な村澤らしい。

「現役生活の後半で競技への向き合い方も変わりました。例えば、現役を退いた今もこうして取材をしていただいています。今までは自分のことを語ってきましたが、今後はチームや、指導する選手のことを語るようになるでしょう。選手あっての指導者ですので、選手がどんなモチベーションでどこを目指すのかを大切にしていかなければなりません。主体が自分でなくなりますが、競技に真剣に向き合うという意味では変わらないと思っています。そして私が見ることのできなかった世界を目指す選手が出てきた時、一緒に夢が見られたらいいなと思います」

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 村澤明伸という多くのファンを魅了したランナーがこれからは指導者として、新たなチャレンジを始める。ひとつの区切りがついた今、最後は明るく自分の未来を見据えた。

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箱根駅伝「伝説の17人抜き」から15年…シューズを脱いだ村澤明伸(35歳)が語る波瀾万丈の競技人生「ベストレースはこれといってない」のはなぜ?

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