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「大阪桐蔭に勝って歴史を」だが現実は“192センチ左腕”に14K「萎縮したかも」…古豪公立・熊本工が痛感した“現名門の勝負強さ”の正体とは

posted2026/03/26 06:07

 
「大阪桐蔭に勝って歴史を」だが現実は“192センチ左腕”に14K「萎縮したかも」…古豪公立・熊本工が痛感した“現名門の勝負強さ”の正体とは<Number Web> photograph by Sankei Shimbun

大阪桐蔭・谷渕瑛仁に犠飛を許す熊本工・堤大輔だが、この戦いが名門の古豪公立復活の一歩となるか

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間淳

間淳Jun Aida

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Sankei Shimbun

 頭では分かっているのに、体が動かない。初めての感覚だった。

 熊本工の1番打者・東彰悟選手は、速球に狙いを定めていた。

相手は192センチ川本「こんなにも球が」

 カウント2ボール2ストライクからの5球目。大阪桐蔭の川本晴大投手が投じた真ん中やや外寄りの速球を見逃して三振に倒れた。この打席、東は一度もスイングしなかった。

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「事前に映像を見てイメージをつくって打席に入りましたが、バットを振れませんでした。角度があって、伸びてくる。今までに見たことのない球質でした。こんなにも球が伸びてくるのかと」

 大阪桐蔭の川本は身長192センチ、体重95キロの超大型左腕。東への2球目には、自己最速を更新する147キロを計測した。熊本工の選手たちは普段より近い距離からマシン打撃をしたり、バッティングセンターで150キロの球を体感したりするなど、速球対策を講じてきた。しかし、身長190センチを超える長身から投げ下ろす速球は機械とは違っていた。

 東は第3打席でも速球で見逃し三振を喫するなど、4打数無安打に終わった。昨秋の公式戦では計36打席で2度しか三振していないコンタクト率の高さでも、最後まで対応できなかった。リードオフマンの結果が象徴するように、熊本工の打線は沈黙して0-4で敗戦。大阪桐蔭の川本に完封を許し、14個の三振を奪われた。

終わってみれば、力負けでした

 4番に座った井藤啓稀主将も、脱帽するしかなかった。初回は走者を一塁に置いた場面で空振り三振。9回は先頭で見逃し三振に倒れた。ともに、速球だった。

「見たことのないストレートでした。九州にはいない投手です。想像以上に伸びがあって、チーム全体が苦しめられました」

 センバツ最多タイとなる5度の優勝を狙う大阪桐蔭の主戦投手は、未知の領域だった。そして、全国の頂点に立つゆえんも思い知らされた。

【次ページ】 大阪桐蔭の名前や甲子園の雰囲気に萎縮したのかも

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