甲子園の風BACK NUMBER
「名門女子校→共学」直後に…野球部に29人も入部、岩手の私立校に“あの有名監督”がやってきた…名門「白百合」になぜ野球部できた? 現地で取材
posted2026/04/26 11:01
今春、名門「白百合」系列の中高で初めて共学化に踏み切った盛岡白百合学園(岩手)
text by

柳川悠二Yuji Yanagawa
photograph by
Yuji Yanagawa
◆◆◆
白百合球児にとっての戦闘服である帽子やユニフォームは、監督に就任した國保陽平のアイデアが取り入れられている。白百合と同じミッション系の大学である立教大学を参考にして帽子には白百合をかたどった校章がつけられ、ユニフォームの胸文字は校名のアルファベット表記(筆記体)がデザインされている。そしてストッキングには三本線。これは「従順」「勤勉」「愛徳」という白百合学園の校訓を表しているという。
創部1年目に29人も入部…
女子校時代の校庭を改修して完成した野球場は左翼70m、右翼90mという長方形の形状だ。試合を行うには不十分な広さだが、他の部活動と共有するわけではないために日々の練習においては十分すぎる環境だろう。ライト後方にブルペンがあり、マウンドに上がる投手はここからダイヤモンドの中心まで走って行く。國保は「メジャースタイルです」と笑う。
ADVERTISEMENT
「僕の高校時代は他の部と共有で、内野ほどの広さでしか練習できなかった。花巻農業で監督をしていた頃は、大雨が降ると水たまりが1週間以上も消えないほど水はけの悪いグラウンドでした。大船渡高校もここ(盛岡白百合)と同じような形状のグラウンドで、ホームランがバンバン飛び出すほど狭いグラウンドでした。練習環境というのは、何かしらハンデがあったほうが、生徒たちが一生懸命に練習を考えて工夫するなとはずっと思っていたんです。創部したばかりの部としては十分なグラウンドだと思います」
入部者は29人。そのうち7割の部員が中学時代に硬式野球に励んだ球児で、残りは軟式野球経験者だ。つまり、野球経験がゼロの者はいない。
「僕もこんなに集まってくれるとは思っていませんでした。中学時代の仲間と声をかけあって入学してくれた子もいますし、そうじゃない子もいます。10人ぐらいでスタートすると思って入部し、想像以上の多さに驚いている子もいます」
強豪・花巻東と対戦…
野球の素人集団ではないものの、オープニングセレモニーで戦うことになった花巻東は県下一の強豪であり、センバツに出場したAチームではさすがに勝負にはならないだろう。國保は花巻東に試合を申し込んだ際、主力選手の派遣を提案した花巻東の流石裕之部長に対し、ベンチ入りしていないBチームの派遣を依頼していた。


