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プロ野球亭日乗BACK NUMBER
「このチームが優勝できない理由が見えていた部分も…」DeNA筒香嘉智が明かす“キャプテンを引き受けた理由”「体力は普通の34歳よりある方だと」
text by

鷲田康Yasushi Washida
photograph bySANKEI SHIMBUN
posted2026/02/21 17:01
今季、DeNAのキャプテンに任命された筒香嘉智(34歳)のインタビュー(後編)
「例えば80というスイングスピードが出たとした時に、去年だとここまでしか飛んでないのが、同じ80のスイングスピードでも中身が詰まっているので、分厚く当たって今年はもっと飛ぶという感じがする」
キャンプのフリー打撃では投手との距離を1mほど短くして打席に入り、短い反応時間でもフェンス越えを連発。去年まで気になった詰まり気味の打球がほとんどなくなり、飛距離も出ているのが印象的だった。
「去年の後半に股関節が入る感覚ができて、自分の形で力が入る、待てる、コンタクトができる形が見えてきた。そこから今年は中身がだんだん詰まってきた。だから今年のキャンプではこれまでにない感覚、一つ上の感覚でバッティングをできています」
「僕はあの経験がなければ…」
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DeNA復帰からほぼ2年で、ようやく渡米前の感覚を取り戻し、そこからさらに進化した姿になろうとしているというのだ。
そう考えると筒香にとって米国で過ごした4年余りの時間は、プレーヤーとしては回り道だったのかもしれない。メジャーを目指して渡米したが、夢半ばで挫折し、そこからは転落の一途だった。
「最初の頃は相当苦しかったのは本当です」
筒香は静かに当時の思いを振り返った。
「野球人生だけで思うと、回り道だったかもしれない。でも人生で考えれば、僕はあの経験がなければ、多分、その後の自分も、これからの人生も全く変わったものになっていたなと思っています」
こう語る言葉のトーンが少し強くなったように感じた。
「自分の中ではあの経験をした者にしかわからない感覚がある。それは経験したからいいとか、経験しなかったから悪いとかいう意味ではない。ただ、いつクビになるかもしれない、人生のすべてを懸けて、今日の試合に臨む。そんな空気は実際にあの場所にいなければ分からないものだったと思います」
このチームが優勝できない理由が見えていた
それは野球や、勝負への向き合い方、プロの野球選手としての振る舞いにも、必ず何かをもたらしてくれるものだったと思っている。だからこそその感覚を若い選手に伝えること。それが優勝という目標にチームを一歩でも二歩でも近づける力となると思っている。それもキャプテンを引き受けた理由の一つだった。

