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「家族構成、苦労した姿も見ているから…」なぜジェフ小林慶行監督48歳は「戦術を細かくやり過ぎない」のか〈熱すぎJ1昇格スピーチで話題〉
text by

田村修一Shuichi Tamura
photograph byKiichi Matsumoto
posted2026/02/26 17:03
熱量ある言葉を口にするジェフ千葉の小林慶行監督は、選手たちにどんな働きかけをしているのか
「とんでもない相手と戦うときに、自分たちのスタイルをしっかりと表現できるかどうか。結果に一喜一憂することなく決してブレない。愚直にやり続けるタフさが必要になる。そうでないと積み上げてきたものをあっという間に失って、自信を手放すことになる。
J1昇格という結果はもう忘れる。俺たちは先に進むのだから、その先に何を掴めるかが大事。苦しんだ期間をどう乗り越えたか、そこにたどり着くまでのプロセスは、すでに絶対的な経験値として自分たちの血や肉になっていますから。勇敢に戦えるチームを作っていきたいです」
――ただJ1では、0−2で敗れた10月の長崎戦のような試合が増えると思います。コレクティブな質だったら、圧倒的な勝利ですが……。
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「あのゲームが続いたら苦しいですね。とはいえ僕はその質問に『うん、そうですね』とは言えない。負けたチームの監督がそれを言ったら、ただの負け惜しみです。僕らの評価は勝ちと負けしかない」
残留争いをギリギリ勝ち残るなら…でも
――監督の仕事は、個の力を磨く環境を整えることだと小林さんはおっしゃっていますが、J1になるとディテールの違いが、結果になって現れる。どうすればその違いを作り出せるのか。
「常識で考えれば残留すれば御の字かもしれないけど、僕はJ1昇格を見据えてチームを作ってきた。それが面白かったからスタジアムにあれだけの人が足を運んでくれた。『ジェフ、いつの間にこんなに躍動感あるサッカーになったの?』『盛り上がっているようだからまた行ってみよう』と皆さんに言ってもらって、僕自身めちゃくちゃ嬉しかった。さらに『実際に見たら面白いじゃん』となって、その積み重ねがフクアリに駆け付けた1万9000人を生んだと思っています。
今季の対戦相手にはマテウス・ジェズスやレオ・セアラ、鈴木優磨、大迫勇也のような選手がいます。彼らに対してセンターバックは『こいつを抑えたら、俺も日本代表に行けるだろう』というメンタルで戦ってほしい。個の部分で簡単に負けていたら、チームとしての結果も掴めない。選手には、最後は1対1なんだと言っています。チーム戦術は大事ですが、それが先に来てはいけない。ギリギリで残留争いをして、勝ち残っていくチームを作るのであれば、人数をかけて守ってというのもありかもしれない。でも僕自身は、上位に行けるチームを作りたい」
胸を張って野心的な目標を掲げたい
――百年構想リーグがあるのは有利に働きそうですが、簡単ではないです。

