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「家族構成、苦労した姿も見ているから…」なぜジェフ小林慶行監督48歳は「戦術を細かくやり過ぎない」のか〈熱すぎJ1昇格スピーチで話題〉
text by

田村修一Shuichi Tamura
photograph byKiichi Matsumoto
posted2026/02/26 17:03
熱量ある言葉を口にするジェフ千葉の小林慶行監督は、選手たちにどんな働きかけをしているのか
「フェアであるために、ポジションのタスクを明確にしていく。ポジションごとに攻撃、守備のタスクが明確になれば、“あとは競争してください”とできる。シンプルな仕組みを作って、フェアな競争を生み出すための環境を整えるのが僕の仕事だと思っています」
――ピッチ上でも監督の考えがどう反映されているのでしょうか。
「サッカーはピッチ上で選手たちがやるものです。J1になれば僕の声は逆サイドの人間には絶対に届かない。だからといって『声が通らないから、前もって考えておこう』というのもおかしい。
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スカウティングして相手の変化は把握していても、実戦ではそれを超えてくる。いちいち選手がベンチを見て『監督、これどうすればいいんですか?』と聞いているようでは戦えない。だから近くにいる選手だけででも繋がって解決する術を見出していき、経験値を積み重ねていく。組織はそうやって出来あがっていくと思います」
戦術を細かくやり過ぎると、選手の頭が…
――サッカーは監督に教えられるものではなくて、選手が自分で考えるものだと、ある監督は言っていました。
「戦術を細かくやりすぎると、選手の頭がパンクして体も動かなくなります。躍動感を生むために、なるべく少ない情報量に削ぎ落とす。戦いを表現できる環境を整えることに、僕自身は注意を払っています」
――削ぎ落とす作業は、2025年終盤の段階でかなりできるようになった。手応えは感じていましたか。
「めちゃくちゃ感じています。ただオフを挟んで、新しいメンバーが入ってきた。ピッチに立つメンバーの1人が変われば、同じことはもう表現できなくなる。チームは生き物なんです。
僕らはJ1にギリギリで滑り込んだ20番目のチームで、予算規模は下から2番目ぐらいです。だからこそ最大限のパワーを出すために、今まで積み重ねたものを信じて磨き続ける。補強では自分たちのスタイルに合う選手に声をかける。今オフは、幸いにも声をかけたほぼ全員が来てくれました」
僕らの評価は勝ちと負けしかない
――J1でも戦い方は変えないのが基本戦略ですが。

