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「お前は兄貴に絶対に勝てない」と…ノーマルヒルでは「まさかの失速」失意の絶対王者が破った “プレブツ家の呪い”「メダルは結果に過ぎない。ただ…」
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雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph byTsutomu Kishimoto/JMPA
posted2026/02/18 11:18
スロベニア男子初となるジャンプ個人での金メダルを獲得したドメン・プレブツ。絶対的な優勝候補として挑んだが、栄冠までには多くの困難があった
しかし、その後の混合団体で兄妹で金メダルに貢献できたことが、ドメンの心を軽くし、同時に自信を与えたようだ。その試合後、ドメンはこう語った。
「兄妹でメダルを持っていないのは自分だけ、というプレッシャーがあったわけじゃない。ただ、今日のジャンプには大きなプレッシャーを感じていた」
そして、プレブツ家の教えを反復するように言った。
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「ニカとは違って、自分は子供の頃から金メダルを夢見ることはできなかった。そんな大きなことを成し遂げられるとは思っていなかったんだ。それがW杯で結果が出始めて、もっと大きな目標を持てるようになった。W杯で10年以上過ごした後、初めてのオリンピックで金メダルを獲れたのは夢以上の出来事。時間を費やし、努力を重ね、たくさんの汗をかいて、眠れない夜を過ごす。そのことに価値があるという大きな教訓になった。努力を重ねれば、いつか報われるのだと」
日本代表の中村直幹はドメンとプライベートでの交流があり、その人柄についてもよく知っている。
昨年10月にドイツからスロベニアに拠点を移し、お互いの自宅は車で20分ほどの距離。ご近所さんで仲良くなり、クリスマスには首都のリュブリャナに一緒に出かけたという。
「レストランに行って、肉を食べて、大きなクリスマスマーケットがやってるので観光しようよって。それなのに寒いからって、ホットチョコレートの店に入ってぬくぬくしてましたけど(笑)。
いろいろな話をしますよ。僕の話もしますし、彼が家を買うんだと言うので、その図面を見せてもらうこともあった。『結構高くない? 今シーズン頑張らなきゃね』なんて言ってました」
「話すのが上手でビジネスライク」…王者の素顔は?
選手としての立ち居振る舞いにはこんな印象を受けている。
「彼は話すのが上手なんですよ。ちょっとビジネスライクで、年上の人やスポンサーさんに対しても堂々と話している。そういう姿を見て、こういう選手なら支えたくなるだろうなと思いますね」

