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マリニン陥落「団体金が悲劇の前菜」「五輪史に残る波乱」イタリア各報道が生々しい…鍵山優真を指導コストナーは慮り「ラスト3人はさぞ重圧に」
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弓削高志Takashi Yuge
photograph byTakashi Yuge
posted2026/02/15 11:45
世界に衝撃が走ったマリニンのフリー。イタリア紙はどう報じたか
男子フィギュア決勝翌日の14日付1面トップは、前日の女子スーパー大回転で金メダルを獲得した地元ミラノ出身のフェデリカ・ブリンニョーネだった(さらにサッカー、ACミランで活躍中のクロアチア代表MFルカ・モドリッチが飾っている)。
スケート競技と並び、冬季五輪の花形であるアルペンスキー競技で世界の頂点に立った彼女だけでなく、リュージュ女子2人乗りで金メダルを獲得したブッテル&オベルホファー組や2歳の息子と同伴取材が話題になった女子スピードスケート(3000m・5000m)の2冠女王フランチェスカ・ロッロブリジダら女性選手の快進撃でイタリア選手団はメダルラッシュ中。同紙は巻頭から17ページ目まで異例の自国特集を大々的に組んだ。
マリニンが紙面に現れたのは全競技結果をまとめて伝える19ページ目。紙面の半分にも満たないスペースが充てがわれ、失意の表情とともに冷静な批評が載った。
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「イリアは己の代名詞といえるクワッド・アクセルを失敗し、ミスを重ねた。人生最悪の5分間だっただろう。突然何者かが彼だけに重力の法則を狂わせたようだった。フィギュアスケートは残酷な競技だ。スポーツに“絶対”は存在しない。どんなに才能ある若者でも、しばしばただの未成熟な人間になる」
TV局「大波乱」「五輪史に残る大波乱」
フリープログラムが行われた13日夜、ミラノ・アイススケーティング・アレーナからのTV中継や生配信でも、絶対優勝候補マリニンの不振に「大波乱です」「何という大番狂わせだ」というフレーズが連発された。
イタリア国営放送RAIの実況中継では、フリーの全演技が終了した直後、解説陣から「日本のカギヤマ(鍵山優真)にもミスはあったが、プログラムの組み立て次第で金メダルを獲れたのではないか」「マリニンの演技を見た後では日本陣営にとっては悔いが残るでしょう」という日本寄りのコメントがあったことも記しておきたい。
競技日程終了後、スポーツ専門チャンネルEurosportが毎晩深夜に放送する大会特番では、フィギュアスケート識者である同局グイド・バガッタ記者が「マリニンの自滅は、夏季・冬季を問わず、五輪史上に残る番狂わせといえる」と断じた。
イタリア選手「最高の選手でもミスは起こる」
生中継で結ばれた競技後のミラノ・アイススケーティング・アレーナからは、関係者の口から次々にマリニン敗北の衝撃が生々しく語られた。
体調不良をおして出場し9位に滑り込んだ男子イタリア代表のダニエル・グラッスルは驚愕の表情を隠せない。

