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「ゆっくりやってもらわないと…」カープ2年目、先発転向挑戦中の岡本駿が新井監督の「レギュラー争い横一線」 を歓迎しない理由とは 

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前原淳

前原淳Jun Maehara

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photograph bySankei Shimbun

posted2026/02/16 11:00

「ゆっくりやってもらわないと…」カープ2年目、先発転向挑戦中の岡本駿が新井監督の「レギュラー争い横一線」 を歓迎しない理由とは<Number Web> photograph by Sankei Shimbun

2年目にして先発転向に挑む岡本

 もともとは素材型として期待されていたが、1年目から一軍に定着した。本格的に投手を始めたのは大学進学後だったこともあり、首脳陣は起用しながらも無理はさせなかった。夏場の二軍降格も、若手には異例ともいえる「休養」を重視した措置だった。

 当時から首脳陣は先発としての可能性を感じていた。だからこそ、シーズン最終戦を待たずに9月16日に二軍に降格させた。前日の試合後、監督室で来季の先発転向が告げられた。

「リリーフでけっこう投げさせてもらっていたので、不安な気持ちもありましたし、リリーフがすごく楽しいと思っていたところでもありました。でも、先発として心を決めて、すぐに切り替えることはできました」

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 中継ぎとしてのやりがいを感じ、セットアッパー、抑えへと駆け上がっていく姿をイメージしていただけに驚きはあったが、新たな気持ちの高ぶりを感じた。二軍で先発調整を続け、プロとして初めて先発にまわった昨年10月のフェニックス・リーグで無双した。チーム最多の31回を投げ、12安打24奪三振1四球2失点で防御率0.58の圧倒的成績。11月の秋季キャンプは腰の張りで途中リタイアとなったものの、先発として残したインパクトは十分だった。

新井監督の期待に応えるために

「1年目の、このオフは本当に勝負だぞ」

 キャンプ地を離れるとき、新井貴浩監督からそう告げられた。先発の一軍枠は6つしかない。床田寛樹、森下暢仁、大瀬良大地の3本柱に、昨季開幕からローテを守り、7勝を挙げた森翔平もいる。新外国人フレディ・ターノック獲得に続き、栗林良吏と辻大雅が先発に挑戦することも分かった。

「オフは“休む”というより、できるだけ“動く”ようにしていました。中継ぎから先発になると、やっぱり球数を投げることになりますが、自分はあまり筋力がないので、一番は筋力アップかなと思って取り組んできました」

 昨季、中継ぎ投手は試合前にウエートトレーニングを行ってきたが、投球のパフォーマンスに影響が出ると感じた岡本はひとり、試合後に行っていた。そうすることで、トレーニングの強度や回復具合をコントロールしやすくなるからだ。まだ成長段階にある右腕にとってプラスに働くに違いない。

 首脳陣が例年以上に「横一線」を強調する背景には、既述した3本柱に並ぶ投手の台頭ではなく、3本柱を超える投手の台頭を望んでいるように感じられる。その筆頭候補が投手歴6年目の岡本だ。2月15日にはチーム初の対外試合となった巨人戦の先発を任され、3回3安打無失点3奪三振と滑り出した。確かなステップを踏みながら「横一線」から一歩抜け出し、開幕ローテ入りへ一直線に突き進んでいく。

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