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高梨沙羅が号泣「まるでドラマ」だったスキージャンプ団体銅メダル…レジェンド・船木和喜はどう見たか?「いちばん褒めてあげたい」挙げた“ある選手の名前”
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松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byTsutomu Kishimoto / JMPA
posted2026/02/14 11:02
それぞれが力を出し切り、混合団体で銅メダルを獲得した日本チーム
「日本チームのキーマンは…」即答した名前
全員がミスなく終えて、銅メダルを獲得した試合。
その中で、一人キーマンとなった選手をあげるとしたら? そう尋ねると、船木は答えた。
「二階堂選手ですね」
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船木はまず、長野五輪やソルトレイクシティ五輪の団体戦で4番手を務めた経験を踏まえ、その立場の重要性をこのように説明する。
「4番手の役目は、そのときの点差によって変わります。順位が下であれば逆転しないといけない立場ですし、トップを走っているのであればそれを守りきらないといけない。どの順位でも、大きな責任があります。今はトップに立つための緑のライン『ツービート』が表示されますが、当時はなかったので、他の選手の成績をみながら、自分は何mまで行かないといけないのかをずっと計算していた記憶があります。
二階堂選手も、今回の2本目の最後、表彰台を逃す可能性もある中でのジャンプでした。僕だったら、飛ぶ前から謝罪の言葉を考えていたかもしれないですね(笑)」
「二階堂選手、いちばん褒めてあげたい」
あらためて、4番手を担う選手の責任の重さが伝わってくる。それを二階堂が全うしたことになるが、加えて、船木はこのように話した。
「その立場でいいジャンプをしたこともそうですが、『全部背負って飛んだ』、成功したということに意味があります。丸山選手は、大きな怪我を負って、そこを乗り越えて出場したオリンピックです。小林選手もノーマルヒルで8位、連覇と今大会での2冠を逃した。もちろん、高梨選手の前回のオリンピックのことも知っている。
各選手、いろいろなものを乗り越えてきて、いろいろなドラマがある。高梨選手も、この数年、世界のある程度のランキングは維持してきた。じゃなければ、混合団体に出る席はないですからね。
そういうみんなのことを知った上で、それを全部背負って、応えてみせた。二階堂選手がいちばんすごかったと思いますし、いちばんほめてあげていいと思います」《つづく》

